あらすじ
化粧に使うヘアスプレーが人間を襲い始めた。
ジンドグマスプレーで人間を泡状の液体に変えて吸い込み、洗脳してしまう妖怪王女の作戦。
ジュニア・ライダー隊のシゲルも、スプレー缶の中に吸い込まれてしまう。
泡となり缶に消える!? 人間を吸い込むスプレー怪人!
今回のジンドグマ怪人は、スプレー缶の怪人であるスプレーダー。
妖怪王女の配下であるスプレーダーは、頭頂部の噴射口から火炎を放つほか、人間を溶かす霧・地獄スプレーを噴射し、溶かした人間を左腕の吸引口から吸い込む能力を持つ。
そうしてスプレーダーに吸い込まれた人間は、そのまま数時間経過すると自動的に噴射口から噴射され再生するが、ジンドグマに忠誠を誓うように洗脳されたスプレー人間になってしまうのだ。
ジンドグマは特売品のヘアスプレーとして、スプレーダーと同じく人間を溶かし吸引するジンドグマスプレーを街中に蔓延させ、多くの人間をスプレー人間に変えてしまおうとする。
ジュニア・ライダー隊のシゲルも、ヘアスプレーに興味のあるミチルをからかったことから偶然地獄スプレーを浴びてしまい、スプレー缶の中に吸い込まれてしまうのだった。
人々を救うべくスプレーダーと戦ったスーパー1も、地獄スプレーを浴びて行方不明になる。
スーパー1もまた、スプレー人間に変えられてしまったのか?
果たしてジュニア・ライダー隊は、この危機を脱することが出来るのか。
スーパーマーケットに商品を運ぶトラックが、ジンファイターの群れに襲われた。
ジンファイターはトラック運転手にスプレーを吹きかける。
すると、運転手の身体は溶解して泡となってしまい、スプレーの中に吸い込まれてしまった。
それは、ジンドグマ怪人・スプレーダーの仕業だ。
スプレーダーはジンファイターが乗った偽物のトラックをスーパーマーケットに向かわせる。
人間に化けたジンファイターは、トラックの荷台からヘアスプレーを降ろし、スーパーマーケットに納品する。だがそれは、いつもとメーカーの異なるものだった。
やがて、スーパーマーケットには特売品として、ジンドグマが納品したヘアスプレーが並ぶ。
その安さに惹かれた女性たちは、我先にとヘアスプレーを買い求めた。
その中には、ハルミとマサコの姿もあった。
ジンドグマのスプレーを購入した主婦がヘアスプレーを使用すると、その煙を浴びたことで身体が溶解し、泡となってしまった後に、スプレー缶の中に吸い込まれる。
そして各地で、同様の怪事件が頻発していた。
そしてハルミとマサコも、ヘアスプレーを谷モーターショップに持ち込んでしまう。
良に会いに来たミチルも、おしゃれに興味のあるお年頃。ヘアスプレーに興味を抱くが、そこにジュニア・ライダー隊の仲間がやってきて、ミチルをからかうのだった。
怒ったミチルがスプレーを噴射すると、それを浴びたシゲルが泡になってしまい、スプレーの中に吸い込まれてしまった。一也はこの怪事件を知らされ、谷モーターショップに向かう。
自分のせいでシゲルが泡になってしまったことに、ミチルは大きなショックを受けていた。
一也はそんなミチルを慰め、シゲルを取り戻すことを約束する。
ジンドグマの仕業であることを察知した一也は、ヘアスプレーを売るスーパーマーケットに向かった。そして、ヘアスプレーを納品する業者に化けたジンファイターを発見する。
ジンファイターの化けの皮を剥がした一也は、ジンファイターと戦いを繰り広げる。
そこに、ジンドグマ怪人・スプレーダーが現れた。
スプレーダーのスプレーダー火炎に苦戦する一也は、スーパー1に変身。
スーパー1を泡にして溶かそうとするスプレーダーは、地獄スプレーを噴射して襲いかかる。
そして、ジンファイターに取り囲まれたスーパー1に、スプレーダーは地獄スプレーを噴射。
煙が晴れた時、そこにスーパー1の姿はなかった。まさか、スーパー1も溶かされたのか?
後に残った泡を、スプレーダーは吸い取ってしまう。
「やった!ついに仮面ライダーを吸い取ったぞ!」
ジンドグマのアジトでは、鏡を前におしゃれに余念のない妖怪王女が、他の幹部にからかわれていた。悪魔元帥に呼び出された妖怪王女は、人間をスプレーに吸い込む作戦の成功を報告する。
人間をスプレーに吸い込む作戦に、何の意味があるのか不思議に思う幽霊博士。
実は、ジンドグマスプレーに吸い込まれた人間は、その中で洗脳されてしまい、スプレーから噴射され再生されると、悪魔元帥に忠誠を誓うスプレー人間となってしまうのだ。
さらに、スプレーダーはスーパー1をスプレーに吸い取ったことを報告する。
悪魔元帥はこの報告を受け、大いに喜び、妖怪王女を称賛するのだった。
妖怪王女の指示で、スプレーに吸い込まれた人間がスプレーから噴射され再生された。
彼女たちはジンドグマに忠誠を誓うスプレー人間として生まれ変わり、ジンドグマのアジトへと集まっていく。それは、ジュニア・ライダー隊のシゲルも例外ではなかった。
ジュニア・ライダー隊は様子のおかしいシゲルの後を尾行することにする。
しかし、シゲルを尾行した先で、ジュニア・ライダー隊はジンファイターに襲われる。
良は通信機でスーパー1を呼ぶが、そこにスプレーダーが現れる。
「呼んでも無駄だ!仮面ライダーは助けには来ない!この俺様がやっつけた!」
スプレーダーはジュニア・ライダー隊を捕らえ、十字架に磔にすると、スプレー人間たちにジンドグマスプレーを噴射させジュニア・ライダー隊をも洗脳し、ジンドグマの手先に変えようとする。
ジュニア・ライダー隊、絶体絶命の危機。
だがそこに、スーパー1がVジェットに乗って駆けつけた。スーパー1は、自分を包囲していたジンファイターを盾にして、スプレーダーの地獄スプレーから逃れていたのだ。
スーパー1はジュニア・ライダー隊を逃がすと、エレキハンドのエレキ光線でスプレー人間たちが持っていたジンドグマスプレーを破壊し、ジンファイターたちとの戦いに挑む。
スプレーダーはスプレー爆弾を投げつけスーパー1を攻撃するが、スーパー1はそれを躱した。
ついに、スーパー1とスプレーダーの一騎打ち。
猛烈な勢いのスプレーダー火炎に対し、スーパー1は冷熱ハンドの冷凍ガスで対抗。
凍結したスプレーダーは、手足を引っ込め、崖を転がり落ちる回転攻撃を繰り出すが、もはや悪足掻きに過ぎなかった。スーパー1はあっさりとスプレーダーを蹴り飛ばすと、最後のトドメのスーパーライダー稲妻閃光キックを放ち、スプレーダーを倒すのだった。
スプレー人間にされた人間たちも無事にもとに戻った。
スーパー1は一也に戻ってそこに駆けつける。
ジュニア・ライダー隊の面々は、スーパー1が何処に行ったのか不思議に思うのだった。
一也は笑顔でこう答えるのだった。
「大丈夫、きっとまた来てくれるよ。君たちに危険が迫ったときには、必ずね!」
人間を溶かしてしまうという、恐怖のヘアスプレーの怪奇描写がインパクトのあるエピソード。
そんな作戦を実行するスプレーダーは言動のテンションが高く、スーパー1を溶かしたと思っては喜び、スプレー爆弾で倒したと思っては大喜びし…と、そのテンションの高さは見ていて楽しい。
火気厳禁のスプレーなのに自分で火を吹くし、スプレーなのに人間を吸引するのもユニークだ。
特売品としてジンドグマスプレーを流通させ、その安さに惹かれた人々を襲う作戦は、身近な日常が侵略される恐ろしさがあり、身近な日用品をモチーフにしたジンドグマ怪人が行う作戦としての説得力もある、日常のささやかな平和を破壊するジンドグマの恐怖が演出されていた。