あらすじ
人間を釣る釣り竿怪人・ツリボットにジュニア・ライダー隊の慎一が釣られ、人質にされた。
慎一の父・古賀長官はジンドグマに、息子の命と引換えにミサイル秘密基地の場所を教えるように脅迫される。スーパー1は慎一を懸命に捜索するが…。
釣り上げられた親子の絆!ジンドグマのミサイル分捕り作戦!
今回のジンドグマ怪人は、釣り竿をモチーフにした怪人・ツリボット。
魔女参謀の配下であるツリボットは、釣り竿のようになっている右腕を鞭のように使い、そこから釣り針の付いた強靭な糸を伸ばして敵を釣り上げてしまう能力を持っている。
また、釣りの錘を模した爆弾も装備しており、釣り針に引っ掛けて遠投する攻撃を行う。
そんなツリボットの標的にされたのが、ジュニア・ライダー隊の新人隊員である慎一。
慎一は国防長官である古賀長官の息子であり、国防省が建設していたミサイル秘密基地の占領を狙うジンドグマに、古賀長官を脅迫する人質として狙われていたのだ。
ツリボットは慎一を拉致し、古賀長官を脅迫してミサイル秘密基地の場所を聞き出そうとする。
スーパー1は慎一を救出し、ジンドグマのミサイル分捕り作戦を阻止することが出来るのか。
ジュニア・ライダー隊の面々は、みんな揃って山へキャンプに向かっていた。
そこには、新しくジュニア・ライダー隊に加わった、古賀慎一少年の姿もあった。
最年少のマサルは、新入りの慎一に先輩風を吹かせる。
山に到着したジュニア・ライダー隊はみんなで決めた役割を分担する。
チョロと良、マサルと慎一は、魚釣りをすることになった。
慎一は、国防省長官である古賀長官の息子だった。
だが、チョロはうっかり、魚釣り用の餌を持ってくるのを忘れてしまっていた。
一也がそれを届けるために山に向かうが、そこに怪しい女性が現れる。
この先の停留所まで乗せていってほしいと頼む女性の申し出を承諾する一也。
その頃、チョロたちの元にも、怪しい釣り人たちが現れた。
「俺たちの釣りは魚ではない。人間を釣りに来たのだ!」
釣り人に化けたジンファイターの狙いは、慎一だった。
良はSOS信号を送り、ハルミたちを呼ぶ。そして、その通信は一也の元にも届く。
しかし、先程の女性が一也の首元にナイフを突きつける。
女性の正体は、魔女参謀だった。
魔女参謀は一也を足止めすべく、自ら姿を現したのだ。
魔女参謀はジンファイターを呼び出し、一也の身動きを封じる。
その頃、ジュニア・ライダー隊はジンファイターに包囲されていた。
しかしそこに、ジンファイターの足止めを脱したスーパー1が駆けつける。
スーパー1はジュニア・ライダー隊を逃がすが、慎一めがけて釣り針が飛んできた。
それは、ジンドグマ怪人ツリボットの仕業だ。
ツリボットは慎一を釣り上げて捕らえると、錘爆弾を投げつけ撤退。
スーパー1は慎一を拉致したツリボットの後を追う。
ジンドグマのアジトでは、鬼火司令と幽霊博士が、帰りが遅い魔女参謀の陰口を叩いていた。
そこに戻ってきた魔女参謀は、悪魔元帥に作戦の進捗を報告する。
魔女参謀は、国防長官の息子である慎一を拉致し、慎一を人質にミサイル秘密基地の場所を聞き出してジンファイターに占領させる、「ミサイル分捕り作戦」を行おうとしていた。
「相変わらず思い切ったことをやるのう…参謀よ!」
地獄元帥も、魔女参謀の作戦にご満悦だ。幽霊博士も、魔女参謀の手腕に感心する。
一方で鬼火司令と妖怪王女は、お高く止まった魔女参謀に不満たらたらだ。
そしてついに、ジンドグマは国防長官である古賀長官にその魔手を伸ばした。
看護師に化けた魔女参謀が、慎一がキャンプで事故にあったと騙し、ジンドグマの車に乗せたのである。だがその陰謀を察知した一也は、その車の尾行を開始していた。
魔女参謀は、慎一の安全と引き換えにミサイル秘密基地の場所を教えるように古賀長官を脅迫する。古賀長官は逃亡するものの、ツリボットに捕まってしまう。
一也は慎一と古賀長官、双方を助けるべく、ジンドグマの車の上にしがみついた。
車を運転するツリボットは、一也を振り落とそうとする。
一也は車から振り落とされてしまうが、スーパー1に変身する。
ツリボットは釣り竿を振り回し、スーパー1を攻撃。
そして、スーパー1のマフラーに釣り針を引っ掛け、スーパー1を投げ飛ばしてしまう。
動きを封じられたスーパー1は地面に叩きつけられ、爆煙の中に消えるのだった。
慎一は、ジンドグマの死刑場と呼ばれる海岸に拘束されていた。
そして、古賀長官もそこに連行されてくる。
「古賀長官。あたくしの言う通り、ミサイル秘密基地を白状しないと、息子、慎一はこうなる!」
魔女参謀はそう言ってジンファイターを海に突き落とした。
すると、大量の人食いザメが現れ、ジンファイターを貪り喰う。
つまり、ミサイル秘密基地の場所を話さなければ、慎一も人食いザメの餌食になるのだ。
それでも口を割らない古賀長官。
慎一も、ジュニア・ライダー隊としての矜持を見せ、父親に口を割らないように叫ぶ。
すると、ツリボットの後頭部に、発信機がついていることを魔女参謀が発見した。
そしてそこに、スーパー1がブルーバージョンで駆けつける。
スーパー1がツリボットに一敗地に塗れたように見せたのは、古賀親子を双方助けるためだった。
作戦を台無しにされた魔女参謀は、ツリボットに責任を取らせようとする。
古賀親子を助け出したスーパー1は、ジンファイターの群れと戦う。
だが釣りボットはジンファイターを整列させ、スーパー1を置きに誘き出し、人食いザメにスーパー1を始末させようとした。だが、スーパー1は人食いザメを避け、ジャンプで沖から脱出。
ついに、ツリボットとの一騎打ちに挑む。
冷熱ハンドの超高温火炎でツリボットを焼き尽くしたスーパー1。
そしてトドメの、スーパーライダー月面キックを炸裂させ、ついに、ツリボットを撃破する。
古賀長官と慎一は、スーパー1に感謝の言葉を述べるのだった。
魔女参謀はスーパー1に復讐を誓う。
平和が戻り、ジュニア・ライダー隊はキャンプを再開した。
みんなで魚を釣り上げ、キャンプは大盛りあがり。
一也はひとり、Vマシーンを走らせ新たな戦いに備えるのだった。
映画「ジョーズ」を思わせる人食いザメの恐怖シーンが印象的なエピソード。
スプレーダーに続き、スーパー1を倒したものだと思い込んで裏をかかれるツリボットも、怪人でありながら何処かユーモラスで面白い性格設定だった。
釣り竿の怪人というユニークなモチーフを活かし、ライダーのマフラーに釣り針を引っ掛けて振り回すというモチーフを活かした戦闘スタイルも面白い。日用品をモチーフにした、他の作品ではめったに見られない怪人が頻出するのがジンドグマ編の良さだろう。