あらすじ
怪しいピエロが街中を暗躍していた。
工作や裁縫、床屋で使われている鋏がひとりでに動きだして人間を襲い始めた。ピエロの正体の怪人・ハサミンブラッドは何でも切り裂き、東京全域に大混乱を起こして占拠しようとする。
恐怖の鋏が人々を襲う!殺人ピエロのチョキンチョキン作戦!!
今回のジンドグマ怪人は、鋏をモチーフにしたハサミンブラッド。
鋭い刃になった両腕を武器とし、両腕を合わせることで巨大な鋏として振るう。
また、胸にも巨大な鋏を装備しており、これを飛ばしてコントロールすることも可能。
両腕の鋏と同時攻撃を行う「二重バサミン」で標的に襲いかかる、全身凶器の怪人だ。
さらに、頭部の角から街中の鋏や剃刀といった刃物を操る光線を出して鋏の嵐を作り出し、その嵐によって敵を抹殺する「ハサミン嵐」という技を持っている。
そんなハサミンブラッドの作戦は、鋏を操る能力を駆使して人々を襲い、電線や電話線を切断して街中にパニックを引き起こすというもの。
そのために「ピエローヤ」というピエロに化けたハサミンブラッドは、街中を徘徊して街中の家庭の鋏や剃刀を操り、子どもたちを鋏に襲わせ恐怖のどん底に陥れた。
刃物によって皮膚を切り裂かれ、恐怖に怯える子どもたち。
ライフラインを文字通り断たれた街が大混乱に陥る中、スーパー1はピエローヤを追う。
果たしてスーパー1はハサミンブラッドを倒し、街を救えるのか。
ジュニア・ライダー隊は、今日もパトロールに励んでいた。
だが、最年少のマサルはパトロールの隊列から遅れ気味。
それどころか、面白いものがあると興味を惹かれ、パトロールから外れてしまった。
相変わらずのトラブルメーカーぶりだ。
マサルが興味を惹かれたのは、街なかで切り絵をしているピエロだった。
「おいらピエロのピエローヤ!楽しい楽しい切り絵の細工、上手く出来たらご喝采!」
鋏を振り回し、切り絵を披露するピエローヤ。すると、その鋏が怪しげな光を放つ。
すると、理髪店の店主が持った鋏がひとりでに動き出し、人々を襲い始めた。
その成功を見届けた ピエローヤ。その行く先で、花屋の鋏もひとりでに動き出す。
ピエローヤが切り絵を完成させる度に、街中で鋏がひとりでに動き出す怪事件が起きていた。
ピエローヤは深夜に至るまで街中を徘徊。手にした鋏から怪しげな光を放ち続ける。
すると、谷モーターショップの一帯で停電が起きた。
そして、谷モーターショップにあった鋏もひとりでに動き、チョロを襲おうとする。
一也はなんとか鋏を抑え込むが、鋏は凄まじい力で人々を傷つけようとしていた。
良は、ピエローヤの行く先で鋏がひとりでに動く事件が起きていたことを一也に教える。
一也はピエローヤを探しに出かけるのだった。
だがそうしている間にも、ピエローヤは次々に街中の鋏を暴れさせる。
両親が不在の間、ジュニア・ライダー隊のマサコに預けられていた少年・イサムもまた、宙を飛ぶ鋏に襲われ、必死に顔をかばおうとした結果、両腕を刃で傷つけられてしまう。
流血描写まで伴うこのシーンは、かなり痛々しい悲痛なもの。
日用品が襲いかかる恐怖を見事に映像化した、ジンドグマ編ならではの恐怖描写になっている。
救急車がマサコの家に駆けつけイサムの治療を行うが、医者が持っていた鋏も宙を飛び、医者や看護師を襲った。看護師は急ぎ助けを求めるが、電話が通じない。
ピエローヤは鋏を操り、電線や電話線を切断していたのである。
この作戦を主導していたのは、鬼火司令だった。
鬼火司令はこの作戦の全てがソツがないと自画自賛し、他の三幹部は呆れる。
そこに現れた悪魔元帥は、ジンドグマ憲法を唱え始めた。
「ジンドグマ憲法!人間に与える恐怖!暴力!略奪!破壊!」
鬼火司令の目的は鋏を操り東京を大混乱に陥れ、その隙に東京を占領することだった。
鬼火司令はピエローヤに命じ、本格的な作戦の決行を命じるのだった。
「私めは武勇を誇る鬼火司令様の部下!失敗などあろうはずが!」
老人に化けた一也は、ピエローヤを見つけ出しそれを尾行していた。
一方、イサムは昨夜の混乱の中で十分な治療を受けられず、今も痛みに苦しめられていた。
マサコはイサムを両親から預かっておきながら危険に晒したことを悔やむ。
ピエローヤによって、イサムだけでなく400人もの少年が鋏に襲われ負傷していた。
さらに、街中の電線も次々に切られ、あと三日もすれば東京中が停電に陥ってしまう。
ジュニア・ライダー隊はこの危機に、ピエローヤを見つけ出すことを決意する。
ピエローヤは、鋏を振り回しながら街中を徘徊していた。
それを怪しんだ警官がピエローヤを追うが、やはり鋏に襲われてしまう。
そしてピエローヤは、巨大な鋏を手に警官に襲いかかる。
「この鋏は血を吸いたいと泣いておるわい!」
しかしそこに、老人に化けてピエローヤを追っていた一也が割って入る。
一也を前に、ピエローヤはジンドグマ怪人・ハサミンブラッドとしての正体を現した。
ハサミンブラッドは、ナイフを持ったジンファイターを呼び出し、一也にけしかける。
そして自らは、頭部の角で街中の鋏を操り、鋏の嵐を作り出した。
一也はスーパー1に変身し、エレキハンドのエレキ光線で鋏を撃ち落とす。
そして、閃光キックでハサミンブラッドの角を破壊し、鋏の嵐を防ぐのだった。
角を破壊されたハサミンブラッドは、一時撤退する。
手分けしてピエローヤを探していたジュニア・ライダー隊の前に、ピエローヤが現れた。
「君たち、おいらのことを探してたんだろう…?出てきてやったのに挨拶もないなんて、悪い子だ!お仕置きしてあげる!」
鋏を振りかざし襲いかかるピエローヤの前に、恐怖のあまり気絶してしまう2人。
ピエローヤは2人を人質にし、通信機でスーパー1へのメッセージを送る。
だが、指定の時間になってもスーパー1は現れない。
業を煮やしたハサミンブラッドは、ついに2人を抹殺しようとする。
しかしそこに、ジンファイターが飛んできた。
そしてハサミンブラッドが動揺している隙に、スーパー1がブルーバージョンで駆けつける。
スーパー1の劇的な登場に動揺したのか、ハサミンブラッドは人質を取っている利も忘れ、スーパー1にジンファイターをけしかけた。スーパー1はジンファイターをブルーバージョンで蹴散らし、ジュニア・ライダー隊の2人を救出する。
ハサミンブラッドは両腕をカニバサミに変化させ、そこからミサイルを発射。
しかしスーパー1は、倒れていたジンファイターの身体を盾にして突撃。
ミサイルを防ぎきり、ハサミンブラッドとの最終決戦に挑む。
ハサミンブラッドは胸の鋏を遠隔操作し、腕の刃と同時攻撃する二重バサミンを発動。
その刃の鋭さに、スーパー1は接近することも、キックを放つことも出来ない。
そこでスーパー1はパワーハンドにチェンジ。
大岩を投げつけて鋏を破壊すると、次は冷熱ハンドにチェンジして超高温火炎を発射。
超高温火炎の熱でハサミンブラッドの刃を曲げ無力化すると、スーパーライダー月面キックを叩き込み、ついにこの恐怖の鋏怪人を打ち破ったのである。
街に平和が戻った。だが、鋏に襲われるのがトラウマになったチョロは、良にからかわれる。
谷モーターショップには笑顔が溢れていた。
日用品が襲いかかる恐怖を描いたジンドグマ編。鋏という、使い方次第では危険な道具を題材としたこのエピソードは、まさにそのテーマを十全に描いた、出色のエピソードになっている。
寝ているところを鋏に襲われるイサムのシーンは、出血描写も相まって刃物の恐ろしさを見せつける恐怖描写になっており、ジンドグマ編ならではの怪奇描写が見事だった。
鋏を振り回しながら襲いかかるピエローヤもこのエピソードの怪奇色を強めている。
ユーモラスなサブタイトルからは想像も出来ないほどに刃物の恐ろしさ、日用品が襲ってくる恐怖を正面から描いた、ジンドグマ編ならではの傑作エピソードだろう。
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