あらすじ
人間を溶かすドグマせっけんが現れた。
特殊なせっけんで人間を溶かす怪人・シャボヌルンによってマサルも溶かされてしまう。
せっけん怪人・シャボヌルンにはスーパー1が繰り出す必殺のキックも効果がなく…。
人間を溶かす恐怖の石鹸!排水口に消えたマサルを救え!
今回のジンドグマの怪人は、石鹸をモチーフにしたシャボヌルン。
右腕のノズルからコンクリートも溶かす溶解性の毒液シャボンを放射する能力を持ち、姿を消しながら移動、様々な方向から毒液シャボンを放射する毒液シャボン四面攻撃を必殺技として持つ。
また、そのノズルからは敵を巨大な泡の中に閉じ込めるシャボンカプセルを放つことも可能。
上半身に装着した石鹸状の装甲は水をかけて擦ることで摩擦抵抗を減少させ、物理攻撃を無効化することも可能。その効果は、スーパー1のスーパーライダー旋風キックすら受け流すほどだ。
そして再生能力も持っており、頭部を破壊されない限りは何度でも再生することが出来る。
そんなシャボヌルンと幽霊博士の作戦は、使用した人間がゼリー状に溶解、排水口から下水に流されてしまう恐怖の「ジンドグマ石鹸」を配布し、流れ着いたゼリー人間を回収。
復元装置で元の人間に戻し、ジンドグマに忠実な手駒として洗脳しようとしていた。
そして、ジュニア・ライダー隊の最年少であるマサルがそうとは知らずジンドグマ石鹸を使ってしまい、ゼリー人間となって排水口に消えてしまう。
ジュニア・ライダー隊はマサルを救出すべく懸命になってゼリー人間が集められている場所を捜索するが、次々にシャボヌルンのシャボンカプセルに囚われてしまうのだった。
人質を揃えたシャボヌルンはスーパー1を誘き出し、ついに一騎打ちの戦いが始まる。
果たしてスーパー1は、キックの効かない強敵怪人を倒すことが出来るのか。
そして、ゼリー人間にされたマサルの運命は?
幽霊博士は、人間を溶かしてゼリー人間にしてしまう恐怖のジンドグマ石鹸を開発した。
ジンドグマ怪人シャボヌルンは、これを街中に配布しようと目論んでいたのである。
実験用人間がジンドグマ石鹸で手を洗っただけで溶けてしまうその効果の程に、幽霊博士は大いに満足する。溶けてしまったゼリー人間が、血が混じった赤色の泡なのが恐ろしい。
ジンドグマは早速、このジンドグマ世間を街中に配りだした。
ランニングをしていたミチルとマサルも、このジンドグマ石鹸を受け取ってしまう。
街をパトロールしていた一也はそれを怪しむが、直後に現れたシャボヌルンとジンファイターオートバイ部隊に街の外れまで誘き出されてしまった。
結局、一也は沼に消えたシャボヌルンを見失ってしまう。
その頃、帰宅したマサルはジンドグマ石鹸を使おうとする。
そして、ジンドグマ石鹸で体を洗ったマサルは、体が溶けてゼリー人間となってしまう。
そしてそのまま、排水口に消えてしまうのだった。
あまりの事態に恐怖するミチルは、急ぎ谷モーターショップに駆け込んだ。
涙ながらにマサルを助けてほしいと懇願するミチル。
谷たちも、街中で同様の事件が起きていることを掴んでいた。
ジンドグマのアジトでは、悪魔元帥が幽霊博士の石鹸作戦の説明を受けていた。
石鹸作戦とは、ジンドグマ石鹸を使ってゼリー人間となった人間を回収し、再生装置で復元。
身も心もぐにゃぐにゃになった元ゼリー人間を奴隷として使役する作戦だったのだ。
そして既に、多くの人間がゼリー人間となって下水に流れ、川に流れ着いていた。
ジンドグマは彼らを回収しようとしていたのである。
弟を失い意気消沈するミチル。ジュニア・ライダー隊は彼女を励まし、マサルを助けるため、川に流れ着いたゼリー人間たちを探し始めた。
そして川には、ジンドグマ石鹸の犠牲になったゼリー人間たちが大量に流れ着いていたのである。
ジンドグマは彼らゼリー人間の回収を進めていた。
この恐怖の計画を知った良たちジュニア・ライダー隊は、シャボヌルンに発見されてしまう。
しかしそこに、変装してジンドグマの行方を探っていた一也が駆けつけた。
一也はジンドグマとの戦闘を開始する。
すると、シャボヌルンはジンファイターに命じて体に水をつけ、こすり始めた。
そして右腕から毒液シャボンを噴射し、一也に吹きかける。
体に水をつけたことで石鹸を湿らせたシャボヌルンには、一也の打撃が効かなかった。
危機に陥った一也はスーパー1に変身する。
スーパー1はシャボヌルンの毒液シャボンを躱し、スーパーライダー旋風キックを放つ。
だが、湿らせた石鹸を装甲にするシャボヌルンには、キックも滑って効かなかった。
スーパー1の攻撃全てを滑らせて無効化したシャボヌルンは、石鹸作戦を進めるべく撤退した。
ジンドグマから逃げ延びたジュニア・ライダー隊の前に、シャボヌルンが現れる。シャボヌルンは自ら囮となってスーパー1を誘き出し、ジュニア・ライダー隊とスーパー1を分断したのだった。
そして、右腕からシャボンカプセルを放つと、ハルミと良、ミチルを捕らえ連れ去ってしまう。
ハルミたちが行方不明になった知らせを受けた谷は、チョロと共に自ら彼らを捜索する。
そして、石鹸の匂いを辿ってハルミたちの行方を探るのだった。
一方、一也は精神を集中しシャボヌルンの体を断ち切る術を探る。
その頃、ジンドグマのアジトでは、回収されたゼリー人間が復元されていた。
その中には、マサルの姿もあった。幽霊博士は捕らえたゼリー人間を兵士にしようとする。
Vマシーンを飛ばす一也のもとに、シャボヌルンからの通信が入る。
それは、ハルミたちを人質に一也を誘き出す罠だった。
シャボンカプセルに入った人間は、半日経てば体が溶けて死ぬ。残された時間はあと12時間。
一也を待ち受けるシャボヌルンは、体を湿らせ万全の態勢を整えていた。
そこに、無人のブルーバージョンが走ってくる。
シャボヌルンたちが困惑していると、車体の影に身を隠していたスーパー1が現れた。
「V3」や「X」で数多く見られたバイクの無人運転スタントを逆手に取った面白いシーンだ。
スーパー1は大挙して押し寄せるジンファイターを蹴散らした。
しかしシャボヌルンは、毒液シャボン四面攻撃でスーパー1を襲う。
だがスーパー1はそれを躱すと、逆にシャボヌルンを泡まみれの路面に向けて転倒させた。
自らの泡に足を取られ動けないシャボヌルンは、今度はシャボンカプセルを発射するものの、スーパー1は冷静にエレキハンドのエレキ光線でそれを撃墜した。
そして、冷熱ハンドの超低温ガスでシャボヌルンを凍結させ、泡のぬめりを無効化する。
そこにスーパーライダー旋風キックを叩き込み、シャボヌルンの首を刎ねたスーパー1。
だが、シャボヌルンは頭部に再生装置を持っており、驚くべき執念で体を再生させた。
しかし、再生装置の場所さえわかればこちらのもの。
スーパー1は、今度はスーパーライダー月面キックを放ち、シャボヌルンの頭部を破壊した。
こうして、シャボヌルンとの戦いは終わった。そこに、マサルたちゼリー人間も現れる。
描写はないが、おそらく谷たちの手で開放されたのであろう。
戦いを終えたスーパー1は、ブルーバーション、そしてVジェットに乗って去っていくのだった。
ジンドグマ怪人のコンセプトである、日用品が襲いかかってくる恐怖を体現したエピソード。
何の変哲もない石鹸を使って体を洗っただけで体が溶けてしまい、下水に流されてしまうというのはあまりにも恐ろしい。溶けたゼリー人間が血が混じったような赤色なのも、恐怖を倍増させる。
これで石鹸がトラウマになった子どもたちも大勢いたのではないだろうか?
石鹸の滑りやすい特性を活かし、ライダーキックが通じないシャボヌルンの強敵描写も良い。
それを打ち破るため、冷熱ハンドの超低温ガスで凍結させるというのも、怪人の能力を無効化するロジックがしっかりした展開だ。石鹸怪人というモチーフを活かした、秀作エピソードだろう。