「仮面ライダースーパー1」第43話「世界が凍る!? 扇風機怪人の威力」感想

2025年9月28日日曜日

仮面ライダースーパー1 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

世界を凍らせてしまう魔女参謀の世界氷漬け作戦。
その一環として日本中を氷漬けにする使命を与えられた、怪人・ゴールダーが現れる。
氷点下250°Cに及ぶ恐怖の扇風機怪人の魔の手が、スーパー1に迫る。

恐怖の地球寒冷化計画 狙われた新型液体窒素を守れ!

今回のジンドグマ怪人は、扇風機をモチーフにしたゴールダー。
扇風機という涼しさを得るための機械が冷凍ガスを出して世界を氷漬けにするという、モチーフの持つ要素を極限までエスカレートした能力がユニークな怪人だ。
扇風機のような形状をした頭部の口からは冷凍ガスを発射し、左腕のプロペラを回転させることで冷凍ガスの勢いをさらに強める能力を持っている。

そんなゴールダーの任務は、魔女参謀が考案した世界氷漬け作戦の実行だ。
その作戦のために、物理学の権威である尾崎博士が開発した、液体窒素を超える冷却液体「窒素コールダー液」を奪取し、その量産を尾崎博士に行わせようとする。そして、尾崎博士を助けようとしたジュニア・ライダー隊の良も捕らえ、尾崎博士を脅迫するのだった。
しかし、ジュニア・ライダー隊の連絡で、スーパー1も世界氷漬け作戦を知ることになる。
スーパー1は冷熱ハンドの火炎と冷凍ガスを駆使し、扇風機怪人に立ち向かうのだった。
果たしてスーパー1は尾崎博士と良を救い、新型液体窒素を守りきれるのか?



ジンドグマのアジトでは、魔女参謀が席を外していた。
空調も効いていないのか、鬼火司令と妖怪王女は暑さにイライラした様子を見せる。
するとそこに魔女参謀が、かき氷を持って現れ、悪魔元帥に大盛りのかき氷をふるまう。
みんなでかき氷を食べている風景だけ見ると、ちょっとした仲良しグループだ。

魔女参謀が皆を集めたのは、液体窒素でバナナを凍結する実験を見せるためだった。
凍結したバナナや果物は、いとも容易く粉々になる。
魔女参謀はこの原理を使い、日本中を氷漬けにしようと目論んでいたのだ。
日本の全てを氷河で覆い尽くし、交通網を麻痺させ社会を混乱に陥れる計画。
だが、日本中を氷漬けにするほどの液体窒素は用意できようもない。
しかし魔女参謀は、液体窒素にとってかわる液体を既に発見していた。
物理学の世界的権威である尾崎博士が完成させた、「窒素コールダー液」だ。
それは液体窒素よりも遥かに効果の高い、魔女参謀の計画にうってつけの液体だった。

尾崎博士の研究所では、クーラーの故障で助手たちが暑さにまいっていた。
するとそこに、猛烈な風を起こしながらジンドグマの扇風機怪人・ゴールダーが現れる。
ゴールダーは助手を冷凍ガスで抹殺すると、窒素コールダー液をやすやすと奪っていった。

尾崎博士の研究所で起きた事件を新聞で知った谷モーターショップの一同は、この事件がまたしてもジンドグマの仕業であると察知する。一也は尾崎博士の護衛に向かうことにした。
そしてジュニア・ライダー隊の面々も、尾崎博士の周囲を見張ることにする。

ジュニア・ライダー隊が尾崎博士の家を見張っていると、尾崎博士の研究所に怪しい車がやってきた。良は万が一に備え、車に発信機をセットする。
すると、家を出た尾崎博士が、その車を迎えの車だと思って乗り込んでしまった。
車の中にはゴールダーが潜んでおり、尾崎博士に冷凍ガスを吹きかける。
異変を察知した良は尾崎博士を助け出そうとするが、突如現れたジンファイターによって車の中に連れ込まれてしまい、そのまま尾崎博士もろとも拉致されてしまう。
ジュニア・ライダー隊は急ぎ、ジンドグマの車を追った。
そしてライダー隊から連絡を受けた一也もまた出動し、ジンドグマの車を追う。

ジュニア・ライダー隊の尾行に感づいたゴールダーはジンファイターを呼び出し、ジュニア・ライダー隊を襲わせた。ジンドグマの仕掛けた巨大扇風機を起こす風が、ライダー隊の行く手を阻む。
そこに駆けつけた一也は巨大扇風機を破壊するが、今度はジンファイターの群れが現れる。
一也はジンファイターを倒し、ジュニア・ライダー隊を家に帰らせると、自らは発信器の信号を追ってジンドグマの車を追うのだった。

魔女参謀のもとに到着したゴールダーは、尾崎博士を連行する。
それを阻もうとした良はゴールダーに殴られ、気絶してしまった。
魔女参謀は気絶していた尾崎博士を目覚めさせると、良を人質にして窒素コールダー液を大量生産するように強要した。ゴールダーが盗んだ窒素コールダー液はごく少量でしかない。
日本中を氷漬けにするには、ゴールダーの全身を満たすほどに大量の窒素コールダー液が必要だったのである。ジンドグマの恐怖の計画を知った尾崎博士は苦悩する。
しかしそこに、仮面ライダースーパー1が駆けつけた。

スーパー1はジンファイターを蹴散らし、ゴールダーの冷凍ガスに冷熱ハンドの超高温火炎で対抗。冷熱ハンドの性能はゴールダーを遥かに上回っており、冷凍ガスを超高温火炎でかき消されたゴールダーは熱さのあまり逃亡する。スーパー1は急ぎそれを追った。
しかし、ゴールダーを見失ったスーパー1は罠に嵌り、洞窟内の冷凍室に閉じ込められてしまう。
ゴールダーは冷凍室内の扇風機を最大出力にし、冷凍ガスでスーパー1を氷漬けにしようとする。
冷凍ガスの威力は凄まじく、さすがのスーパー1の肉体も、凍結し始めてしまった。

一方、尾崎博士は再び良の命を人質に取られ、ジンドグマの命令に従うことを強要されていた。
それでも尾崎博士はジンドグマへの協力を拒むが、ついに良の冷凍ガスを用いた処刑が始まってしまった。子どもを犠牲にしてしまうことに、苦しみの表情を浮かべる尾崎博士。
一方洞窟内の冷凍室では、ジンファイターがスーパー1の凍死を確認していた。
冷凍室内で倒れているスーパー1を確認したジンファイターは、よせばいいのにわざわざ扉を開けて冷凍室の中に入り、スーパー1にとどめを刺そうとする。

処刑を静止するよう懇願する尾崎博士に、協力を誓わせようとするうゴールダー。
だがそこに、スーパー1がブルーバージョンに乗って駆けつけた。
やはり、冷凍室で倒れていたのはスーパー1の作戦だった。
スーパー1は冷熱ハンドの火炎で体を温めることで、冷凍室の極寒を凌いでいたのである。

ゴールダーは再び冷凍ガスを噴射。さらに扇風機の羽を飛ばし、スーパー1を攻め立てる。
スーパー1はその攻撃を躱し、扇風機の羽を操るジンファイターの群れも次々に撃破。
ジンファイターを倒されたゴールダーは冷凍ガス攻撃を再度仕掛けるが、スーパー1はそれに対し、冷熱ハンドにチェンジして冷凍ガスを発射。毒には毒、冷凍ガスには冷凍ガス。
同じ冷凍ガス同士の対決は、冷熱ハンドに軍配が上がった。
ゴールダーの冷凍ガスは跳ね返され、全身が凍結してしまう。

このままゴールダーの最期かと思われたその時、魔女参謀が現れ、良を人質に降伏を迫る。
だがスーパー1はその言葉を聞く耳を持たず、冷凍ガスを魔女参謀に噴射。
そうして出来た一瞬の隙を突き、尾崎博士と良を救出する。
もはや交渉の余地などないとはいえ、人質を取っている相手に真正面から挑むのが凄い。

魔女参謀を撤退させたスーパー1は氷漬けになっていたゴールダーに、トドメのスーパーライダー月面キックを炸裂させ、この扇風機怪人に勝利する。
なんだか最後まで、良いところがないまま倒されてしまった気がするな…。

こうして再び、一時の平和が戻った。
ジュニア・ライダー隊の面々は、暑い夏の日を湖でボートを漕ぎながら過ごすのだった。

扇風機の怪人が冷凍ガスを噴射し日本中を氷漬けにしようとするという、モチーフの持つ働きを極限までエスカレートさせた、ジンドグマ怪人ならではの発想がユニークな回。
一方で、そんなゴールダーの冷凍ガスは冷熱ハンドの超高温火炎と冷凍ガス両方に敗れてしまっているなど、なんだか良いところがないまま終わっているのも面白くはある。

みんなでかき氷を食べるジンドグマの面々もユニークな描写だった。
作中内の季節は夏、ジンドグマのアジトは空調が効いていないのか暑いらしい。
コスチュームを脱ぐわけにもいかない彼らなりの苦労があるのだと思うと、面白い。

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