「仮面ライダースーパー1」第44話「ニョキ・ニョキのびるハシゴ怪人の魔手」感想

2025年9月28日日曜日

仮面ライダースーパー1 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

妖怪王女配下の怪人・ハシゴーンは、栗田博士が発明した水素爆弾よりも強力な新ロケット燃料・Xベーターを奪おうと計画する。ハシゴーンはそのために、元泥棒のチョロに目をつけた。
一方、はしご怪人によるはしご攻撃を食らい、スーパー1も大苦戦を強いられてしまう。

狙われた新型ロケット燃料 天空へ伸びる梯子を砕け!

今回のジンドグマ怪人は、梯子をモチーフにしたハシゴーン。
その名の通り、伸縮自在の梯子を背負っており、これを操って敵の動きを封じ込める。
さらに、頭部のアンテナからは電磁光線を放射することが可能だ。

そんなハシゴーンは妖怪王女の指令を受け、宇宙開発研究所の栗田博士が開発・管理する新型ロケット燃料「Xベーター」を奪取するべく、ジュニア・ライダー隊とチョロを拉致。
挟所を通り抜けるテストを強制し、合格者にXベーターを強奪させようと目論んだ。
Xベーターは爆薬として使えば、ほんの僅かな量で東京を壊滅させるほどの威力があるのだ。
そして、元泥棒であるチョロの、関節を外して狭い隙間を掻い潜る能力に目をつける。
ジンドグマはチョロを洗脳し、宇宙開発研究所へ潜入させようとするのだった。
果たしてスーパー1はチョロを救い、Xベーターを守り抜くことが出来るのか?



宇宙開発研究所では、新型ロケット燃料「Xベーター」のテスト映像が上映されていた。
ライフルの弾丸の中に、1000分の1グラムのXベーターを注入し、それを戦車に向けて発射する。
すると戦車は大爆発。映像を見ていた一也は、その威力に驚愕する。
栗田博士はこのXベーターを用いて、日本の宇宙開発を飛躍的に発展させようとしていた。
しかし、ロケット燃料のテストが戦車を爆発させることなのも、なんだか物騒な話ではある。
まるで兵器として転用することも最初から視野に入っているかのような…。

しかし、栗田博士いわく、Xベーターはまだ未完成の産物だった。
Xベーターは極めて安定性が悪く、小さな衝撃を加えただけで大爆発する。
その威力は、ほんの僅かな量を床に落としただけで、東京中が木端微塵になるというのだ。
つまり、Xベーターの実用化には、安全に制御できるようになる必要がある。
そこで栗田博士は現時点で完成しているXベーターを、厳重に保管していた。

その頃、ジュニア・ライダー隊はチョロと待ち合わせ、プールに出かけようとしていた。
だがハルミやマサコがいないことに、チョロは不満を漏らす。
だが、プールに向かう面々の前に、突如空から梯子が伸びてきた。
果てしなく空まで伸びる梯子に驚いた一同に、またも空から網が降ってくる。
かろうじてそれを脱出した最年少のマサル以外、全員が梯子とともに空の果てへ消えてしまう。
マサルは通信機で、この不可思議な現象を谷モーターショップに連絡する。
ハルミやマサコ、そして一也は急ぎ、マサルの通信した現場へ向かうのだった。

梯子とともに消えたジュニア・ライダー隊は、ジンドグマのアジトへ連行されていた。
そこで待っていたのは、ジンドグマの梯子怪人ハシゴーンである。
そしてハシゴーンは、ジュニア・ライダー隊の面々の能力テストを行うと言ってきた。
「この能力テストに合格した者は、我がジンドグマのお役に立つことが出来るのだ!」
ハシゴーンは、狭い梯子のような危惧を持ち出し、狭所をくぐり抜ける能力をテストしようとする。だが、ジュニア・ライダー隊の面々は体がつかえてしまい、、次々にテストに失格する。

マサルから話を聞いた一也は、攫われた良たちが撒いていた連絡用コインを発見。
赤心少林拳で鍛えられた一也の目は、走るオートバイの上からも小さなコインを見逃さなかった。
その頃、ジュニア・ライダー隊の面々は、全員がハシゴーンのテストに失格。
怒ったハシゴーンは、ジュニア・ライダー隊全員を処刑しようとする。
それを見かねたチョロは、自分がテストに合格する代わりに皆を助けるように懇願。
ハシゴーンもそれを承諾する。
チョロは肩の関節を外し、いとも容易く狭所をくぐり抜けることに成功する。
「見事だ!だがどうだ。ちょっとでも落としたら大爆発を起こすようなものを持っていても、今のように出来るかな?」
ハシゴーンの問いに、チョロはお手の物だと答え、ライダー隊を助けるように頼む。
そこに、アジト内の警報装置が作動した。一也がアジトに接近したのだ。

アジトに潜入しようとする一也の前に、空から梯子が降ってくる。
それは、梯子を武器にしたジンファイターの攻撃だった。
一也は梯子を奪い取ると、それを武器にしてジンファイターを蹴散らしていく。
するとそこに、ハシゴーンも現れ、電磁光線で一也を攻撃する。
一也は対抗すべく、仮面ライダースーパー1に変身した。

ハシゴーンは背中の梯子を伸ばして攻撃する梯子攻めでスーパー1を攻撃。
そして電磁光線を梯子に流し、梯子に囚われたスーパー1を攻め立てる。
このままでは全身のメカがショートしてしまう。
スーパー1はパワーハンドにチェンジ、逆に梯子を振り回すことでハシゴーンを投げ飛ばした。
ダメージを負ったハシゴーンは空に梯子を伸ばして撤退する。
ハシゴーンを逃がしたスーパー1は、アジトに踏み込みジュニア・ライダー隊を救出。
しかし良から、チョロがジンドグマに連れ去られたことを聞かされる。

その頃、チョロはジンドグマのアジトに連行され、妖怪王女の手で直々に洗脳されていた。
魔女参謀たちはチョロを洗脳する必要性を疑問視するが、妖怪王女は自らチョロを操って、泥棒家業の中で培われた狭所への潜入能力をデモンストレーションする。
悪魔元帥もその有用性を認めるのだった。

谷モーターショップに戻った一也は、チョロがジンドグマのテストに合格したことと、ジンドグマが爆発物を狙っていることを聞かされる。ジンドグマの狙いはXベーターだったのだ。
その頃、宇宙開発研究所にハシゴーンが現れ、警備員を殺害する。
そして電磁光線で研究所のダクトに穴を開け、そこにチョロを潜入させた。
一也が駆けつけチョロを止めようとするが、洗脳されたチョロは研究所内に侵入してしまう。

ハシゴーンたちは一也の足止めを目論む一方、チョロはどんどん研究所内を進む。
そして催眠ガス弾で栗田博士たちを眠らせ、ついにXベーターのある部屋に辿り着く。
一方、一也はスーパー1に変身。エレキハンドのエレキ光線でハシゴーンの電磁光線を破る。
そしてスーパーライダー閃光キックを放つが、ハシゴーンは梯子避けでそれを撃墜するのだった。

その頃チョロはついに、Xベーターを手にしてしまった。
そして研究所を脱出し、ハシゴーンにそれを渡す。
ハシゴーンは用済みになったチョロを殴って気絶させると、梯子を伸ばして撤退しようとする。
だが、怪人をみすみす逃がすスーパー1ではなかった。エレキハンドのエレキ光線で梯子を登るハシゴーンを撃墜したスーパー1は、Xベーターを奪回することに成功する。

Xベーターを奪い返されたハシゴーンは、梯子を振り回してスーパー1に決戦を挑む。
やぐら投げでスーパー1を投げ飛ばそうとするハシゴーンだが、スーパー1は空中で梯子を下る神業を見せ、そのままハシゴーンの頭部を何度も踏みつけて痛めつける。
そしてトドメのスーパーライダー月面キックが炸裂。ついに、ハシゴーンも倒されるのだった。

チョロも正気を取り戻し、栗田博士にXベーターを返却する。
しかし、Xベーターを乱雑に扱うチョロもその危険性を聞かされ、肝を冷やすのだった。
チョロは、戦いを終えて去っていくスーパー1に感謝の叫びを上げるのだった。

高所に向けて梯子を伸ばすのではなく、高所=空から梯子が伸びてくるという非現実的な絵面が、ジンドグマ怪人の特殊な能力を雄弁に語っていて出色のエピソード。
アクション面でも、ハシゴーンはもちろんジンファイターも梯子を駆使したユニークなアクションを見せており、梯子の隙間に首を引っ掛けスーパー1の動きを封じる戦法が面白い。

今回はレギュラーキャストのコメディリリーフとして活躍してきたチョロの主役回。
元泥棒家業で身につけた関節を外す特技が披露され、それがジンドグマに利用されてしまった。
しかし、ハシゴーンのテストに失格したジュニア・ライダー隊の面々が処刑されそうになったのを見かねて、自らがテストに合格し彼らを助けようとした侠気は見事なものがある。
さすが、一也の弟分といったところだろう。

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