あらすじ
何でも溶かす消火液で東京ドロドロ作戦を進める怪人・ショオカキング。
さらに強力なマグナムガンも駆使し、苛烈な攻撃を仕掛けてくる。
その上、非常にずる賢いショオカキングの罠の前に、スーパー1も危険にさらされる。
ジンドグマを追う謎の男?強力マグナム弾がスーパー1を狙う!
今回のジンドグマ怪人は、消火器をモチーフにした怪人・ショオカキング。
サブタイトルにある通り、一般公募されたアイデア・デザインから選出された怪人だ。
初代「仮面ライダー」のシオマネキングに次ぐ一般公募出身の怪人ということになる。
鬼火司令の配下でも最強であるショオカキングは、右腕の鈎爪と、左手のノズルから発射する何でも溶かす消火液を武器とする他、口先のマグナムガンから、強力なロケット砲を発射することが出来る。そしてその消火液を使って東京中の建物を溶かす「東京ドロドロ作戦」の実行をその任務にしている。そして、そのために邪魔なスーパー1の抹殺のために奸計を企てていた。
一方、そんなショオカキングを追っていた一也の前には、南原健という謎の男が現れる。
彼はジンドグマに家族を殺され、その仇討ちのため戦っているというのだ。
少林寺拳法南原流稲妻拳の達人であり、その実力は一也にも匹敵している。
一也は南原の情報で、ジンドグマのアジトがあるという地獄岳へ向かうことになる。
果たして南原の正体は?そして一也は強力怪人ショオカキングを倒すことが出来るのか…。
アバンタイトルでは、一也が怪人公募への応募者への感謝を述べた。
時間帯変更というアクシデントに見舞われたジンドグマ編だが、「スーパー1」の人気は衰えることなく、ジンドグマ怪人公募にたくさんの応募があったようだ。
その最優秀作として選出されたのが、今回登場するショオカキング。
応募されたイラストでは名前がショ「ウ」カキングであったり、右腕に梯子を備えていたりと完成したスーツとの差異がある。梯子は前回のハシゴーンと被るという判断だったのかもしれない。
ショオカキングはジンドグマの訓練場で、武器であるマグナムガンのテストをしていた。
スーパー1型の的を次々に撃ち抜くその腕前とマグナムガンの威力に、鬼火司令も感心する。
ショオカキングは鬼火司令の命令を受け、スーパー1抹殺に乗り出すのだった。
その頃、ジュニア・ライダー隊は全員集合し、ミラクルボールを的に当てる訓練をしていた。
だがそこに突然ショオカキングが姿を現し、スーパー1の居場所を尋問する。
ジュニア・ライダー隊は逃亡するが、ショオカキングは何でも溶かす消火液を出しながらジュニア・ライダー隊に迫る。しかしそこに間一髪、スーパー1が駆けつけた。
「子どもを相手に強がっては、ジンドグマの名が泣くぞ!」
ショオカキングは自分の目的が地球の人間をドロドロに溶かすことを宣言すると、まず手始めにとスーパー1に襲いかかる。ショオカキングの消火液がスーパー1に迫る!
だがスーパー1はショオカキングの隙を突いて組み付き、スーパー1投げを炸裂させた。
ダメージを負ったショオカキングは一時撤退する。
しかしスーパー1は逃がすまいと、ブルーバージョンでショオカキングを追跡した。
すると突然スーパー1の眼前に、オートバイに乗った男が現れる。
男はオートバイをブルーバージョンにぶつけ、スーパー1に襲いかかった。
スーパー1は、男が使っているのが少林寺拳法であることに気づく。
男は、スーパー1をジンドグマ怪人だと誤解しているようだった。
「勘違いするな!俺はジンドグマではない!」
「なんだって?」
「正義と平和のためにジンドグマと戦うスーパー1だ!」
「スーパー1?仮面ライダースーパー1とは、あんたか!」
「君は?」
「ジンドグマと戦う、南原健!」
誤解を解いたスーパー1に、南原はジンドグマに殺された両親と妹の仇を取るために戦ってきたと話す。スーパー1は、自分たちが同じジンドグマと戦う仲間であると話すのだった。
その頃、ジンドグマのアジトでは、鬼火司令が悪魔元帥に、ショオカキングの東京ドロドロ作戦の進捗を報告していた。鬼火司令は、ジンドグマの作戦が失敗するのはスーパー1が邪魔するからだと話し、ショウカキングに東京ドロドロ作戦実行前にスーパー1を倒すように命じたと説明する。
しかし、毎回の作戦の失敗で機嫌が悪い悪魔元帥は、その回りくどさに怒るのだった。
谷モーターショップでは、ただひとりでジンドグマと戦ってきた南原を皆で歓迎していた。
南原は、ジンドグマのアジトが地獄岳にあるという情報を提供する。
なんでも、両親と妹の遺体が地獄岳で発見され、何度もジンドグマと交戦したのだという。
一也は南原と2人で地獄岳に突入する決意をする。
一也と南原は、南原の腕前を見たいというジュニア・ライダー隊の頼みで、組手をすることになった。南原の少林寺拳法南原流稲妻拳の技の冴えは、一也に勝るとも劣らない。
一方一也は、その稲妻拳の両腕を前に突き出す構えに何かを感じ取る。
組手が終わった後、谷はある懸念を一也に話していた。
それは、南原がジンドグマの一味ではないかという懸念。
しかし一也は、そこまで疑っては可哀想だと、南原を信じた様子を見せるのだった。
しかし、谷はどこかで不吉な予感が拭えずにいた。
谷モーターショップに戻った一也と南原は、地獄岳へ突入する準備を進めていた。
その夜。谷モーターショップを抜け出した南原は、夜空の星に家族の敵を討つことを誓う。
その様子を見ていた一也と谷は、その様子に心打たれるのだった。
だが、部屋に戻った一也を、突然現れたショオカキングが襲う。
ショオカキングはマグナムガンで一也を狙うが、一也はスーパー1に変身した。
ショオカキングはジンファイターを呼び出してスーパー1の足止めをさせると、南原のいる部屋へ向かい、途中にいた谷を気絶させた。スーパー1は急ぎその後を追う。
だがスーパー1が駆けつけた時は既にショオカキングの姿はなく、南原が谷を助けていた。
南原は、ショオカキングが自分の家族を殺したのだと話す。
翌日。一也と南原は、ジンドグマのアジトがあるという地獄岳へ向かった。
すると地獄岳では本当にジンファイターが警備を固めている。南原の情報は真実なのか?
一也と南原は、険しい地獄岳にロープを張って登っていく。
だがそこに槍が投げ入れられ、一也と南原を結ぶロープが断ち切られた。
それでも一也はなんとか体制を立て直し、地獄岳の断崖を登り切る。
だがそこに、南原の姿はなかった。そして、ジンファイターの群れが現れる。
さらに、ショオカキングまでもその姿を現した。全ては一也を誘き寄せる罠だったのか?
一也はスーパー1に変身する。
「南原くんはどうした!」
「マグナムガンであの世行きよ!貴様も後を追っていけ!」
スーパー1はショオカキングのマグナムガンを躱し、一気に接近戦へ持ち込む。
するとショオカキングは拳法の構えを取り、両手を突き出す構えでスーパー1に迫った。
スーパー1はその構えに、何かに気づいた様子を見せる。そしてショオカキングを投げ飛ばすと、スーパーライダー二段蹴りでショオカキングを吹き飛ばした。
するとそこに、南原を拘束した鬼火司令が現れる。
「動くなよスーパー1!仲間の南原の命はないぞ!南原の命を助けたくば、抵抗をやめよ!」
だがスーパー1は、その恫喝に怯むことなく高笑いを上げる。
「さあどうかな鬼火司令!仲間が殺せるのか!」
「何だと!? 仲間を殺すとはどういう意味だ!これはお前の仲間だぞ!」
「と、俺も信じた!だが少林寺拳法の技を、ショオカキングが見せた!それが正体を見せる結果になったんだ!南原健しか使えない稲妻拳をショオカキングも使った!」
スーパー1は、ショオカキングと南原が同じ稲妻拳を使ったことを見抜き、南原の正体がショオカキングであることを見破ったのだ!わざわざ家族の敵を討つ演技を見せたのも台無しだ。
せっかくの作戦がショオカキングの迂闊さで瓦解したことに、鬼火司令は憤慨。
その責任を取らせるべく、ショオカキングにスーパー1抹殺を命ずる。
スーパー1はショオカキングのロケットガンに対抗すべく、レーダーハンドにチェンジ。
レーダーアイをロケット弾として発射して、ショオカキングを攻める。
さらにスーパー1とショオカキングは互いにジャンプし、空中で交錯。
ショオカキングのロケットガンとスーパー1のレーダーアイが、お互いに撃ち込まれた。
レーダーアイが胸に突き刺さったショオカキングは爆発四散するのだった。
スーパー1は鬼火司令とも決着をつけようとするが、鬼火司令は今は戦うときではないと撤退。
スーパー1は、強力怪人ショオカキングを無事倒したことに安堵する。
最強の敵を倒した仮面ライダースーパー1。
そのスーパー1に、ジンドグマの大攻撃が始まろうとしていた!
東京ドロドロ作戦を成功させるために、邪魔なスーパー1を先に倒しておくために、協力者のふりをして誘き寄せようとするという、悪魔元帥ではないが回りくどいと思わざるを得ないショオカキングと鬼火司令の遠大な作戦が面白いエピソード。
一也と谷を信用させるために、家族の敵を討つことを星に誓う演技をしたりと、なかなかの演技派怪人だったショオカキングだが、得意の拳法を変装している時に見せてしまったことで正体が露見するのは、拳法の達人である一也を騙すにはいくぶん迂闊だった。
このエピソードは、初代「仮面ライダー」以来、「仮面ライダー」から「ストロンガー」、そして「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」前半と、長きに渡ってメインライターとしてシリーズを支えてきた伊上勝氏が執筆した最後のエピソード。その点では、記念碑的な作品だ。
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