「仮面ライダーストロンガー」第26話「見た!! 大首領の正体!!」感想

2024年9月2日月曜日

仮面ライダーストロンガー 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

デッドライオンから謎のペンダントを手に入れた仮面ライダーストロンガーは、ブラックサタンの激しい攻撃に遭う。そのペンダントの中には、大首領が恐れるブラックサタンの最高機密が隠されていたのだった。城茂はペンダントの謎を追い、ブラックサタンの本拠地へ乗り込む。

突っ走れ、空を飛べ、ブラックサタンを倒すまで!今こそ決着の時!

とうとうブラックサタンと決着をつける時が来た。
前回、ストロンガーとの戦いの中で、自らの誇りであるブラックサタン最高幹部の証のペンダントを奪われたデッドライオンは、執拗にペンダントを取り戻そうとする。
それは、最高幹部としての誇りであると同時に、ペンダントに隠されたブラックサタンの最高機密、ブラックサタン本拠地への向かう通路の秘密を守るためでもある。
だが、ジェネラルシャドウがクーデターを起こし、既に組織は風前の灯の中、大首領もデッドライオンも、組織内の最高幹部としての誇りの象徴であるペンダントの奪回に執着。
状況が見えていない危機感の欠如が窺える中、ストロンガーはブラックサタン本拠地へ向かう。

激しい激戦の中、デッドライオンは姿をくらませ、ストロンガーはブラックサタン本拠地の奥で、ついにブラックサタン大首領の正体を目撃する。
親友の仇を討つべく、自ら進んで改造手術を受けて電気人間となり、人間の自由と平和のために戦う戦士、仮面ライダーストロンガーとなった城茂。
戦士としての宿命に導かれた戦いの日々に、ついに終止符を打つ時が来たのか。

ブラックサタンの招待状を受けた城茂は、わざと罠に嵌ってデッドライオンのアジトに捕らえられたものの、デッドライオンの狡猾な罠のために、危うく電気パワーを抜かれるピンチに陥った。
だが、とっさに藤兵衛に合図して、花瓶を倒しその水の電導を利用して電気パワーを取り戻したストロンガーは、デッドライオンの持っている不思議なペンダントを手に入れた。

那須岳のアジトで、デッドライオンはブラックサタン大首領の叱責を受けていた。
デッドライオンが奪われたペンダントには、ブラックサタンの最高機密が秘められている。
一刻も早く取り戻さねば、ブラックサタンが危ない。
城茂を取り逃がしたのはとんでもない手落ちだと叱責する大首領。
だが、大首領がジェネラルシャドウの反乱に怯えてデッドライオンを呼び戻していなければ、奇械人アルマジロンと二人がかりでストロンガーを倒せたかもしれない。
ブラックサタン大首領も、人のことが言えた義理ではなかった。
とはいえ、大首領に絶対の忠誠を誓うデッドライオンは、ペンダントを取り戻す決意をする。

那須ビューホテルで合流した城茂たちは、デッドライオンから奪ったペンダントについて調べていた。このペンダントを狙い、ブラックサタンが再び現れるはず。
城茂の考えは即座に的中し、デッドライオンの本体から切り離された鈎爪、デッドハンドが密かに城茂たちに迫りつつあった。デッドハンドはおやじさんからペンダントを奪おうとする。
だが、その目論見は失敗し、城茂はペンダントを奪い返した。
逃亡したデッドハンドを追う城茂たちの前に、戦闘員が現れる。
ブラックサタンが潜む那須ビューホテルを脱出し、城茂はデッドハンドを追った。

デッドハンドを追って森の中に入った城茂たちの前に、ジェネラルシャドウが現れる。
「無事で何よりだったな、城茂。その上、大変なものを手に入れたじゃないか…」
「貴様、このペンダントが何か知ってるな!」
城茂がジェネラルシャドウを問い詰めようとしたその時、またしてもデッドライオンのデッドハンドがペンダントを取り戻そうと接近していた。
だが、それもジェネラルシャドウに阻まれ、デッドハンドは空へと消える。
そして、ジェネラルシャドウもまた姿を消した。
ペンダントが、ブラックサタンの謎を解く鍵なのだと言い残して。
城茂は、ブラックサタンの謎を解く鍵を手に入れた今こそ、ブラックサタンを壊滅させるチャンスとして、ペンダントの謎を解くべく、デッドライオンのアジトへ向かった。

デッドライオンのアジトに戻った城茂たちだが、そこは既にもぬけの殻だった。
アジトの奥へ向かう城茂たちは、奇械人たちの死骸が転がっている奇械人の墓場を目撃する。
以前、別のアジトにも奇械人の墓場があったが、それほどまでに多くの奇械人がストロンガーの手で葬られてきたのであろう。滅んでいった者への憐憫と儚さを感じるおやじさんだが、奇械人の死骸に背を向けるとなんと奇械人の死骸が動き出した。
「志村、後ろ!」でおなじみのシチュエーションに驚いたおやじさんの悲鳴を聞いて引き返した城茂は、ユリ子におやじさんを任せると奇械人たちの足止めをするべく、ストロンガーに変身する。

アジトの外に出て、蘇生した奇械人たちと戦うストロンガー。
今までの奇械人が皆生き返ったら大変なことになると戦慄するおやじさん。
しかし、どれも一度ストロンガーに倒されたものばかり。
ストロンガーが特に苦戦することなく奇械人たちを倒すと、奇械人の姿が忽然と消えた。
そしてそこには、サタン虫の死骸だけが残されていた。
おやじさんがサタン虫が奇械人を操っていた事実に驚いていると、背後からデッドライオンが現れ、ペンダントを取り戻すべくストロンガーに襲いかかってきた。

タックルは戦闘員を蹴散らし、おやじさんも奮闘するが空回り。
そんないつもの光景をよそに、ストロンガーはデッドライオンと死闘を展開する。
右手のデッドハンドを切り離し、万力のように締め付けストロンガーを苦しめるデッドライオン。
頭部のデザインや万力のような鋏といい、デッドライオンはどことなく地獄大使を彷彿とさせるルックス。組織への絶対的な忠誠心も、言われてみれば地獄大使に似ている。

ストロンガーとデッドライオンの一進一退の攻防は、デッドハンドにエレクトロキックを炸裂させたことでストロンガー優勢となり、デッドライオンは一時撤退する。
エレクトロキックがストロンガー電キックの表記揺れなのか、それとも別の技なのかはいまいち定かではないが、ジャンプしての飛び蹴りがストロンガー電キックで、ハイキックとして繰り出すのがエレクトロキックという分類なのかもしれない。

再びアジトの中に戻ったストロンガー。
すると、背後から再びデッドライオンが現れた。恐ろしい執念というかしつこさだ。
だが、先程の戦闘でデッドハンドを失ったデッドライオンは動きに精彩を欠き、ストロンガーに手も足も出ないかのように思われた。倒れたデッドライオンにストロンガーが近づく。
すると、デッドライオンはその機を逃さず、ペンダントを奪おうとストロンガーに組み付いた。

デッドライオンは、ペンダントをアジトの壁に記されたマークにかざす。
すると、周囲の空間が歪み始め、気がつくとストロンガーは謎の装置がある別の空間へと飛ばされていた。装置を調べようとしたストロンガーは、装置を守るバリアによって変身を解除される。
それでも、ブラックサタンの謎を解くべく城茂が装置を調べようとしていると、ペンダントが装置に反応を始めて発光し、特殊な光線と放射線を放ち始めた。
ペンダントがブラックサタンの本拠地へと行く鍵だと推測した城茂は、放射線に自分の体が耐えられるかどうかもわからない、一か八かの賭けとして、ペンダントを装置にかざす。

激しい放射線に耐えた城茂は、気がつくと見知らぬ荒野へと飛ばされていた。
そこに戦闘員の群れと、異常な執念でペンダントを奪回しようとするデッドライオンが現れる。
デッドハンドを取り戻し、頭部のたてがみを飛ばす新しい武器を手に入れたデッドライオン。
肩口に噛みついたデッドライオンを振り解いた城茂は、ストロンガーに変身。

「変身…ストロンガー!天が呼ぶ。地が呼ぶ。人が呼ぶ。悪を倒せと、俺を呼ぶ。俺は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!」
戦闘員を一掃したストロンガーは、デッドライオンにとどめを刺すべく戦いを挑む。
すると、デッドライオンはデッドハンドを切り離して飛ばし、忽然と消えてしまった。
どこへともなく飛んでいくデッドハンドを追いかけたストロンガーは、岩場の陰に隠された通路へと入っていく。そこに浮かぶデッドハンドにストロンガーが近づくと、デッドライオンが姿を現した。だが、ストロンガーの反撃を受けたデッドライオンは、また姿を消す。
そしてそのまま、デッドライオンが再び姿を現すことはなかった…。

ストロンガーは神出鬼没のデッドライオンを警戒しつつ、奥へ奥へ進んでいく。
そのさなか、ユリ子やおやじさんの幻影が現れたかと思えば消えていく。
不可思議な現象に惑わされるストロンガーは、ペンダントを起動させた。
ペンダントから放たれる光線が、ストロンガーの身体をブラックサタン本拠地へ導いていく。

再び、謎の装置がある空間に辿り着いたストロンガーは、そこでベールに包まれたブラックサタン大首領の影と対面する。しかし、接近しても大首領の影は幻に過ぎず、実体を掴めない。
幻を掴めるかと勝ち誇るブラックサタン大首領に、ストロンガーはペンダントを投げつける。
すると、ペンダントの力は大首領の実体を顕にした。そこにいたのは、サタン虫。
ブラックサタン大首領とは、ブラックサタンが日本を支配すべく、人々や奇械人に寄生させて意のままに操ってきた悪魔の虫、サタン虫そのものだったのだ。

巨大なサタン虫としての正体を現したブラックサタン大首領は、ブラックサタンが人々を操ってきた手口を暴露し、サタン虫が支配する世界を樹立する世界征服の野望を宣言する。
「おのれストロンガー…よくも私の姿を見たな!わかったか、ストロンガー!私は一族のサタン虫たちを、奇械人や戦闘員たちの脳の中に送り込んで、彼らを意のままに操ってきたのだ!今に、サタン虫が全世界の人間たちを支配する時が来る!サタンの世界だ!」
「そうはさせん…貴様こそ人間の敵だ!行くぞ!」
ストロンガーと、ブラックサタン大首領の最終決戦が始まった。
だが、ブラックサタン大首領はその魔力でストロンガーを幻惑し、視神経をやられたストロンガーは、攻撃を命中させることが出来ずに苦戦する。
そして、ブラックサタン大首領はアジトを出て、瞬間移動でストロンガーを惑わせる。

ストロンガーを撒き、アジトへ戻ったブラックサタン大首領だが、突然何かに怯え始める。
「そうか…そうだったのか…奴らがもうここまで乗り込んできていたとは…!」
ブラックサタン大首領が目撃したものとは、いったい何か。
アジトから逃亡するブラックサタン大首領の前に、回復したストロンガーが現れた。
瞬間移動で逃げ続けるブラックサタン大首領に、ストロンガーは誘いとなる攻撃をわざと空振りし、ブラックサタン大首領の瞬間移動を誘うと、移動先を読み切った一撃を炸裂させる。
一度攻撃を受けてしまえば、もはやブラックサタン大首領に逃げる術はない。
電パンチを受け、ドクロの目から火花を吹き苦しむブラックサタン大首領。
そして、炎のストロンガー電キックがブラックサタン大首領に炸裂。
ブラックサタン大首領は爆発四散し、ここにブラックサタンはついに滅びたのである。

城茂たちはブラックサタンを滅ぼし、日本に平和をもたらした祝杯を上げていた。
だが、親友の仇を討ち、日本に平和を取り戻したはずの城茂の心は晴れない。
ブラックサタン大首領が最後に何かに怯えていたことが、どうしても気にかかるのだ。
このまま何事もなく、平和が来るはずがない…。

その頃、見事にブラックサタンのクーデターに成功したジェネラルシャドウは、ついに自分たち改造魔人が地球を支配する時が来たのだと笑う。
ジェネラルシャドウがやってきた魔の国からは、いくつもの不気味な足音が響いていた。
世界に未曾有の脅威と、底知れぬ絶望をもたらす改造魔人たちが、迫りつつある。

ブラックサタンはついに大首領とともに滅びた。
しかし、さらに不気味で異様なモノの姿が、刻々と地球に迫りつつある。
ブラックサタンよりも、恐るべきモノとは。
ストロンガーの行く手は、一層険しくなろうとしているのだ…。

ブラックサタンは滅びた。
最高幹部の証にして最高機密が秘められたペンダントの奪回を至上命令とされたデッドライオンは、異様な執念でストロンガーの前に立ちふさがり、姿を現しては撃退され撤退し、また姿を現しては撃退され撤退し、を繰り返す異様な執念を見せてストロンガーを妨害し続けたが、それを繰り返すうちに何処かへ忽然と消えてしまったまま、消息不明になってしまう。
わずか2話の出番かつ、ぽっと出の存在ながら最高幹部であることを鼻にかけ、良いところがなく生死すら不明のまま消えてしまったことで、逆に記憶に残るキャラクターとなってしまった。

デッドライオンとの決着に尺を割いて大首領との決着が消化不良になるくらいなら、突然現れた最高幹部のことなど、完全に消息不明でも誰も気にしないという判断があったのかもしれないが、直前までしつこいくらいにストロンガーの前に現れ、デッドハンドやたてがみ攻撃など印象に残る攻撃もしていたので、何故突然消えてしまったのだろう…とは思う。

ブラックサタン大首領の正体は、巨大なサタン虫だった。
雇われ幹部のジェネラルシャドウを信頼せず、直系の幹部であるタイタンやデッドライオン、そして奇械人たちを寵愛していたのも、この正体を踏まえたうえで考えれば、同族であるサタン虫が寄生している彼らに同族意識があり、サタン虫の影響がないジェネラルシャドウのことは異物として嫌悪感を隠しきれなかったのだろう、と推測は出来る。
ただ、それなら何故タイタンを蘇生させるまでの場繋ぎ要員としてとはいえ、わざわざ魔の国からジェネラルシャドウを呼び寄せたのか、という気はするが…。

幻術と瞬間移動能力でストロンガーから逃げ続けるブラックサタン大首領。
そこで、ストロンガーはあえて攻撃を空振りし、瞬間移動を誘ってブラックサタン大首領の移動先を読み、そこに追撃を仕掛けることで見事にブラックサタン大首領の実体を捉えている。
瞬間移動能力を破る戦闘描写が凝っていて、大首領との決着に相応しい名勝負だった。

こうして、城茂と岬ユリ子の、ブラックサタンを追うさすらいの旅は終わった。
だが、城茂が不吉な予感を感じた通り、日本に、いや世界に平和はまだ訪れない。
ジェネラルシャドウが魔の国から呼び寄せた、改造魔人たちの襲来。
改造人間を凌駕する、伝説上の怪物の子孫である魔人が改造された改造魔人の軍団。
それは、全員が大幹部級の力を秘めた、史上最強の軍団だった。
「仮面ライダー」シリーズのフィナーレを飾る、強さを極めたデルザー軍団の襲来。
仮面ライダーストロンガーの苦闘は、ここから始まる。

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