あらすじ
赤城の幼馴染みであるフランス警察の特捜刑事・ポール伊崎が来日する。
彼の特技は念写による事件解決で、彼の脳裏に浮かんで消えないある島があった。
念写によって浮かび上がってきた島とはデンジランドだった。
フランスから来た男 明かされるデンジ星人の宿命
今回のベーダー怪物は、あらゆる物質を錆びさせる能力を持つサビムシラー。
赤城の幼馴染みであり、フランス警察の特捜刑事であるポール伊崎の念写能力を危険視したベーダー一族によってポール伊崎の体内に注射された卵が成長して生まれたベーダー怪物だ。
その使命はデンジ星人の子孫であるポール伊崎の体内に潜むことでデンジランドに潜入し、デンジランドの超メカを尽く錆びつかせてしまうことである。
今回登場するフランス警察の特捜刑事、ポール伊崎は、赤城の幼馴染みであり、ポラロイドカメラを使った念写能力によって事件を解決してきた超能力刑事。
演じるのは、スーパー戦隊シリーズの前作にあたる「バトルフィーバーJ」でバトルフランス=志田京介を演じた倉地雄平氏。彼が「フランスから来た男」を演じるファンサービスが心憎い。
そんな彼が日本に来日したのは、念写中、どこか懐かしさを覚える島のイメージを見ていることから、その島の正体を探るためだった。そしてその島とは、デンジランドだったのだ。
赤城は、デンジランドのイメージを念写するポール伊崎もまた、デンジ星人の子孫ではないかと考える。だが、そんな彼にベーダー一族の魔手が迫ろうとしていた。
サビムシラーに寄生され、ベーダー一族に洗脳されたポール伊崎は、電子戦隊こそが地球に害もたらす悪であるとマインドコントロールされてしまう。
果たして赤城は、幼馴染みであり、同じデンジ星人の子孫であるポール伊崎を救えるのか。
アスレチッククラブを訪れた男が、ポラロイドカメラを手に集中していた。
男はポラロイドカメラを通し、とある港のイメージを感じ取ると、その光景を念写する。
念写された、第3区等17番倉庫。そこでは、ベーダー一族が金塊の密輸を行っていた。
デンジマンは念写された地点へ向かい、その取引を防ぐことに成功する。
ベーダー一族の密輸現場を念写した男は、フランス警察の特捜刑事、ポール伊崎だった。
赤城と幼馴染であり、念写力で多くの事件を解決してきたポール伊崎が、ひょっこり日本に帰ってきたのである。赤城に帰国の目的を問われたポール伊崎は、ある場所を探しに来たのだという。
このところ、朝も昼も晩も、その場所のイメージが脳裏にこびりついて離れないポール伊崎は、フランス中を探したもののその場所を見つけられず、手がかりを求めて日本へ来たのだ。
そこで、ポール伊崎はその場所をポラロイドカメラで念写し、赤城たちに写真を手渡す。
映し出されたのは、なんとデンジランドだった。
赤城に、デンジランドを見渡せる海辺へ案内されたポール伊崎は、デンジランドを見た時、言い知れぬ懐かしさに胸が詰まる想いだった。何故、訪れたこともないこの場所のイメージを見るのか。
不安に襲われるポール伊崎に、赤城はポール伊崎がデンジ星人の子孫である可能性を話す。
ポール伊崎の念写力も、デンジ星人の子孫として受け継いだ力かもしれないのだ。
もちろん、そんな話を信じられず一笑に付すポール伊崎に、赤城は証拠を見せると話す。
だが、その様子を物陰からケラーが監視していた。
赤城はポール伊崎を、デンジランドへと案内した。
さらに、赤城はアイシーにデンジ星人の伝承を話すように頼む。
ポール伊崎は犬が口を利くことに驚く。「バトルフィーバーJ」での、フランスとロボット九官鳥とのやり取りを思い出させて、微笑ましいワンシーンだ。
アイシーは、デンジ星を襲った悲劇や、地球に飛来したデンジランド、そしてデンジマンの5人がアイシーに選ばれてベーダー一族と戦う使命を背負った戦士であることを話す。
そして、ポール伊崎のルーツを探るべく、アイシーはもう一隻、デンジ星を脱出した宇宙帆船グレートクイーン号で宇宙を旅し地球に辿り着いたデンジ姫と、デンジ姫と共に地球を訪れ、地球人とともに生きることを選んだデンジ星人の物語を伝える。
赤城は、ポール伊崎がデンジランドのイメージを幻視したのも、先祖のデンジ星人の記憶が蘇ったからだと推測し、ポール伊崎もそれに納得するのだった。
一方、ベーダー魔城では、ヘドリアン女王たちがポール伊崎について調べていた。
念写力で事件を解決し、デンジマンの密輸現場への奇襲を念写にて手引きしたのもポール伊崎であることを報告されたヘドリアン女王は、直ちにポール伊崎を消すように命ずる。
しかし、ヘドラー将軍はポール伊崎をただ消すだけではもったいないと判断し、一計を案じる。
ポール伊崎は、自分がデンジ星人の子孫であることを知り、自分の超能力に自信を深めた。
車を飛ばすポール伊崎の前に、二人の美女が手を振り、車を停めるように促す。
タクシーが来ないので乗せていってほしいと頼む美女の頼みを、ポール伊崎は快諾。
フェミニストな紳士である辺りもバトルフランスを思わせて嬉しい描写だ。
だが、その二人の美女は例によってミラーとケラーの変装だった。
美女の身体から漂うフランスの香水の匂いに惹かれたポール伊崎に、ミラーとケラーは怪しい香水を吹きかける。その香水によって、ポール伊崎はたちまち気絶してしまった。
ベーダー魔城に連行されたポール伊崎は、拷問を受け電子戦隊の面々が地球を侵略するためにやってきた、正義の仮面を被った人類の敵であるという意識を植え付けられる。
そして、体内にサビムシラーの卵の卵黄を、必要量である0.5mm注射されてしまうのだった。
アスレチッククラブで空手の稽古を終えた赤城の前に、ポール伊崎が現れた。
赤城は自身に発砲するポール伊崎から銃を蹴り落とし、アスレチッククラブへ運ぶ。
黄山はポール伊崎の腕に、注射の跡を発見するが、洗脳によって電子戦隊が地球の敵であると植え付けられたポール伊崎は電子戦隊の話を聞こうとしない。
あきらはデンジピンクにデンジスパークし、デンジスコープでポール伊崎の身体を透視するが、何の異変も見つからず、赤城はポール伊崎をデンジランドへ運ぶ。
ポール伊崎を説得すべく、赤城はデンジランドでこれまでのデンジマンの戦いの日々を投影し、デンジマンが地球を守るために戦ってきたことや、ベーダーこそ地球の敵であることを伝える。
前半のアイシーの手によるデンジランドやデンジ姫来訪の物語もだが、今回は過去の映像をふんだんに使った設定の説明回かつ総集編的な作りになっている。
自分たちが命をかけて地球のためにベーダー一族と戦っていることを伝える赤城だが、ベーダーによる洗脳は根深く、ポール伊崎は赤城の話を聞こうとしない。
赤城は激昂し、ポール伊崎の顔面に怒りの拳を叩き込む。
あきらは、今のポール伊崎はベーダーの手で病気にされたのと同じだと赤城を抑えるのだった。
ベーダー魔城では、自分たちの計算通り、体内にサビムシラーを宿したポール伊崎がデンジランドにいることを知ったヘドリアン女王が満面の笑みを浮かべていた。
このままサビムシラーがポール伊崎の身体を出れば、サビムシラーの能力でデンジランドのメカが尽く錆ついてしまう。そして、デンジランドのポール伊崎は、突然デンジランドが錆だらけになるという予知を行ったかと思えば、苦しみ始めて口から泡を吹く。
ポール伊崎の体内にベーダー怪物が潜んでいたことを悟った電子戦隊は、苦しみ続けるポール伊崎を、慌ててデンジランドの外へと運んでいくのだった。
かろうじてデンジランドを脱出させられたポール伊崎の口から、サビムシラーが飛び出した。
作戦を失敗させられたサビムシラーは、ポール伊崎抹殺を狙い攻撃を始める。
ポール伊崎を逃がした赤城たちはデンジスパークし、高らかに名乗りを上げる。
「見よ!電子戦隊!デンジマン!!」
親友を狙われたデンジレッドは真空蹴りからデンジパンチを繰り出し、ダストラーを圧倒する。
だが、サビムシラーはブルーたち4人を圧倒し、身体からサビラ菌を吐き出すと、デンジマンの強化服のメカを錆びつかせてしまう。さらに、サビラ菌はブルーたちを繭に閉じ込めてしまった。
そこにレッドが駆けつけ、デンジスティックでブルーたち4人を救う。
5人揃ったデンジマンは、サビムシラーにショットガンで5方向から体当たりを直撃させ、さらに5人同時の回し蹴りで痛めつけると、デンジブーメランでとどめを刺した。
しかし、サビムシラーは細胞を組み換え巨大化、最後の反撃を行う。
デンジマンもデンジタイガーを呼び、発進したダイデンジンが戦場に降臨した。
ダイデンジンとサビムシラーの最終決戦。
サビムシラーはダイデンジンを繭に閉じ込め動きを封じるが、ダイデンジンはデンジ剣を取り出して拘束から脱出。しかし、サビムシラーのサビラ菌は、なんとデンジ剣をも錆びつかせてしまう。
切れ味を失ったデンジ剣。だが、ダイデンジンはデンジ錆落としで即座にデンジ剣を復活させると、電子満月斬りを繰り出してサビムシラーにとどめを刺すのだった。
平和が戻り、赤城は怒りのあまりポール伊崎を殴ってしまったことを謝罪していた。
しかし、赤城の怒りの一撃は、ポール伊崎の意識を呼び起こし、正気に戻していたのだった。
デンジランドが錆だらけになって、使用不能になるところであった。
そのピンチを救ったのは、赤城が涙ながらに殴った、友情のパンチだったのである。
またしてもデンジ星人の子孫が現れ、デンジ星人が地球に帰化し、太古より地球の歴史を作り上げてきたことがまたひとつ実証された。
ポール伊崎の念写力はデンジ星人から受け継いだものであり、世に言う超能力者と言われる人々は、みな宇宙の果てからやってきたデンジ星人の子孫なのかもしれない…というロマンあふれるスケールの大きな世界観が、「電子戦隊デンジマン」の特徴と言えるだろう。
第25話「虎の穴は逃走経路」に続き、ベーダー一族は電子戦隊に近しい者の体内にベーダー怪物を宿すことで、デンジランドへの潜入と破壊を目論み始めた。
直接対決だけにとどまらず、デンジランドへの破壊工作によって電子戦隊の戦力を削ごうとするその策略は油断ならないもの。ヘドラー将軍の士気能力の高さが窺える。
電子戦隊は、身の回りの小さな命を守るため、愛と勇気の炎を燃やし戦わなくてはならないのだ。