あらすじ
ヘビ女によって電気パワーを吸い取られてしまった城茂。
その頃、はるばるエジプトからデルザーの改造魔人を追って日本にやってきた青年がいた。
その青年こそ、かつてデストロンとの死闘を繰り広げた風見志郎こと仮面ライダーV3だった。
最強改造魔人の襲来と勇者の帰還!最終決戦の幕が開く!
ストロンガーの抵抗により、7人の改造魔人を全滅させられたジェネラルシャドウ。
日本征服に手をこまねいていた彼からデルザー軍団の指揮権を奪い、世界征服の悲願を果たすべく、エジプトから最強の改造魔人・マシーン大元帥が日本へと来訪しようとしていた。
だが、そんなマシーン大元帥や彼の仲間を追って、歴戦の勇者たちもまた日本へと帰還する。
マシーン大元帥を追いエジプトから帰還したのは、かつてデストロンと勇敢に戦った風見志郎。
デストロンを壊滅させ、XライダーとともにGODとも戦ったV3が、デルザー軍団を倒し、正義と悪の果てしない戦いに終止符を打つべく日本へと帰ってきた。
今回より登場するマシーン大元帥は、エジプトで暗躍していた改造魔人。
その実力とカリスマ性は、あの慇懃無礼なジェネラルシャドウすら一目置くほどであり、次回より登場する磁石団長とヨロイ騎士という2人の改造魔人を指揮下に置く絶対的支配者だ。
ミイラの姿で棺に収まり、エジプトからの貨物船に乗って日本へと容易く潜入、むやみな戦闘行為を行わずに日本上陸を果たす知略をも兼ね備えている。
赤いピラミッド型のバリアーに敵を閉じ込める「魔のピラミッド・レッドバリヤー」という技で敵の自由を奪い、額の宝石からのレーザー光線で葬り去る戦法を得意としている。
その目的は、日本征服に手を焼いていたジェネラルシャドウからデルザー軍団の指揮権を奪い、日本、ひいては世界征服を果たしこの世に悪の完全勝利を齎すことである。
そして、前回より登場したヘビ女もまた、ジェネラルシャドウのために力を尽くす。
ストロンガーの電気パワーを吸い取る能力を発現させたヘビ女によって、ストロンガーもついにその電気パワーを完全に吸い取られてしまった。
果たしてストロンガーはこの危機を脱し、ヘビ女を倒すことが出来るのか。
そしてマシーン大元帥を追って日本にやってきたV3は、マシーン大元帥を食い止められるのか…。
デルザー軍団の本拠地と思われる、奇厳山。
城茂もおやじさんも、デルザー軍団アジトの入口を見つけるべく懸命になっていた。
すると、突然おやじさんの車がエンストし、座席に蛇が現れる。
蛇の目が怪しく光ると、おやじさんは意識を失ってしまった。
おやじさんと合流しようとした城茂だが、おやじさんは車を城茂へ向けて突っ込ませる。
必死に逃れた城茂は、おやじさんの額にヘビ女の赤い鱗が貼り付いていることに気づく。
だが、おやじさんの車の執拗な追跡がついに城茂の乗るカブトローに直撃。
カブトローから投げ出された城茂は、急斜面を転がり落ちる。その衝撃で赤い鱗が剥がれたおやじさんは正気に戻るが、カブトローが崖下に落下したのを発見、城茂の危機を知るのだった。
気を失っていた城茂のもとに蛇が現れ、ヘビ女へと姿を変えた。
体が動かない城茂に、ヘビ女は噛みついてその血を吸う。
そして、最後の仕上げとして左腕から毒液を注入した。
城茂は気を失っている間にヘビ女によって電気パワーを吸い取られており、その上毒液までも身体に流し込まれてしまったのだ。おやじさんが間一髪駆けつけるが、城茂は気絶していた。
アジトに戻ったジェネラルシャドウは、ヘビ女の活躍を称えていた。
「フム…どうやら、城茂を仕留めたようだな…流石に、俺が頼みにするヘビ女だ」
「シャドウ様のためだからねえ!」
やはりこのふたりのやり取りは、どこかただならぬ関係性を感じさせる。
それより数週間前。
エジプトのアレキサンドリアを出港して、日本へ向かった一隻の貨物船があった。
やがてその船は、日本の神戸港に到着した。
厳重な警備とともに、巨大な箱が倉庫へ運び込まれていた。怪しい男たちは、その警備の厳重さから金目のものが運び込まれていたと考え、その箱を奪う計画を立てる。
その頃、あたかもその貨物船を追うように、1台のジェット旅客機がバンコク経由で日本に飛来し、大阪国際空港に着陸した。その旅客機の中から、1人の黒尽くめの青年が降り立った。
その、サングラスをかけたいい男は、タクシーに神戸港に向かうように依頼する。
一方、神戸港では、倉庫に入り込んだ男たちが巨大な荷物を開けようとしていた。
すると、その中にあったのは古代エジプト文明の巨大な棺だった。
エジプトのピラミッドの中に眠っている何千年も前の棺が、何故こんなところに?
すると突然、棺が開き、中に眠っていたミイラが起き上がった。
男たちの足元には血の色をした接着剤が撒き散らされており、男たちは逃げることも出来ない。
ミイラの身体を覆っていた包帯が解けると、中から改造魔人が現れる。
その改造魔人こそ、マシーン大元帥。
マシーン大元帥は額の赤い宝石から光線を放ち、男たちを白骨へ変える。
そして、白骨を砂に変えてしまうのだった。マシーン大元帥は配下の戦闘員を呼び出す。
マシーン大元帥配下の戦闘員は、マシーン大元帥との頭部の装飾と同じ形状の仮面を付けている。
「者共!日本征服の、第一歩だ!」
だが、そこに何者からが近づく足音が響き、マシーン大元帥たちは姿を消す。
足音の主は、先程のサングラスをかけた、黒尽くめのいい男だった。
黒尽くめの青年がマシーン大元帥を追って東京へ向かいつつある中、奇厳山の麓の谷底では、おやじさんが懸命に城茂の看病をしていた。城茂はなんとか意識を取り戻す。
しかし、城茂の体内の電気パワーは枯渇しており、猛毒も体を蝕んでいる。
おやじさんは城茂の手袋を脱がせ、ストロンガーに変身させて猛毒を解毒させようとするが、電気パワーが枯渇した今、城茂はストロンガーになることすら出来なかった。
そこで、城茂はカブトローのバッテリーと変身ベルト・エレクトラーを接続し、カブトローの電気パワーで自らに電気パワーを充電することを思いつく。
おやじさんの助けで無事にカブトローを起動させ、カブトローの電気パワーを得た城茂はストロンガーへ変身、ヘビ女の毒液を解毒することに成功するのだった。
だがそこに、ヘビ女配下の戦闘員たち、そしてヘビ女が姿を現した。
「ストロンガー!今度こそ本当に殺してやるぅ!」
マシーン大元帥は棺に隠れ、サングラスをかけた黒尽くめのいい男の通過を確認。
配下の戦闘員にサングラスをかけた黒尽くめのいい男を襲わせる。
そして、マシーン大元帥自ら姿を現すのだった。
「何故俺を追ってくる!貴様は何者だ!」
マシーン大元帥の呼びかけに応え、男は黒いコートを脱ぐ。そこにいたのは、風見志郎だった。
「フハハ…!思い出したか!俺の名は、風見志郎!」
「思い出したか!」が、視聴者へ向けての声掛けでもあるあたりが秀逸な口上だ。
「貴様を追って、はるばるエジプトから、日本へやってきたんだ!」
エジプトで暗躍していたマシーン大元帥が日本に来訪したことを知り、エジプトで悪と戦っていた風見志郎もまた、日本への帰還を果たしたのである!
マシーン大元帥は風見志郎の抹殺に乗り出すが、風見志郎はその攻撃を華麗に躱す。
「行くぞ!変身…V3!」
力と技の風車が回り、仮面ライダーV3が戦場へと躍り出る。
V3はマシーン大元帥に対しても一歩も引かない猛攻を見せ、マシーン大元帥を追い詰めていく。
マシーン大元帥は魔のピラミッド・レッドバリヤーでV3の動きを封じ、レーザー光線で攻撃。
だが、V3は地面に穴を掘って拘束を逃れ、V3キックをマシーン大元帥に叩き込んだ。
追い込まれたマシーン大元帥は棺に入り、棺ごと空へと逃れて消えていった。
その頃、ストロンガーとヘビ女の死闘も続いていた。
ヘビ女は鞭でストロンガーの腕を拘束するが、逆にエレクトロファイヤーで反撃される。
追い込まれたヘビ女はマントをストロンガーに投げつけ、視界を奪って攻撃。
その頃、マシーン大元帥を追っていた風見志郎は、代名詞とも言えるバイクに乗ったままの変身ポーズを披露。久しぶりの出番だけあって、出血大サービスだ。
「驚いたかい!そのマントはね、アタシのとっておきの武器さ!特別金属の繊維で出来ていて、お前の電気パワーをみんな吸い取ってしまうんだよ!さあ、いよいよストロンガーの最後だ!」
だがそこに、V3が駆けつけた!おやじさんは、久しぶりに再会したV3に呼びかける。
「V3!どうして日本へ!?」
「おやじさん、しばらく!日本に危機が迫った時、必ず帰ってくると言いましたよ!」
「うん…!ストロンガーの力になってやってくれ!」
感極まったような声を上げるおやじさんの願いに応え、V3はストロンガーを救出。
ストロンガーはヘビ女との決着を自らつけようとする。
そこに、ジェネラルシャドウも襲来。V3と戦闘を開始する。
ストロンガーは超電子ダイナモを起動し、チャージアップ・ストロンガーに進化。
「超電、大車輪キック!」
大の字になって高速回転する超電大車輪キックが炸裂し、ヘビ女は倒された。
ジェネラルシャドウもトランプフェイドで撤退する。
おやじさん、そして風見志郎は城茂の健闘を称える。
城茂もまた、おやじさんに聞かされていた偉大な先輩に敬意を表するのだった。
「風見さんですね。あいつを倒せたのは、仮面ライダーV3。風見先輩のおかげです!」
「何を言うんだ。君のパワーが、あのヘビ女を倒したんだ。君の腕前は、噂通り立派だよ」
2人のライダーは、お互いの健闘を誓い合い、固い握手を交わす。
おやじさんは、自らの教え子である仮面ライダー同士が、一瞬で心を通じ併せ、悪との戦いのために結束したことに、これ以上ないほどの笑顔を見せていた。
「やはり、俺が育ててきた仮面ライダーの仲間だ。ええ?初めて顔を合わせたというのに、もうお互いの気持ちが通じ合っている…!うむ!」
風見志郎は、マシーン大元帥が日本に来訪し、それを追って日本へ来たことを教える。
「ヘビ女…俺の片腕だった女を…!おのれ、ストロンガーめ!」
ジェネラルシャドウは、アジトでヘビ女を失ったことを悲しんでいた。
そこに、マシーン大元帥が姿を現す。
「あんたは…!」
「ジェネラルシャドウ。お互い元気でなによりだな」
「あんたまで…あんたまで現れたのか…!」
マシーン大元帥は、もうすぐこの日本で面白いことが始まるとほくそ笑む。
ジェネラルシャドウは、一目置くマシーン大元帥がついに日本に現れたことに戦慄するのだった。
海の彼方から、続々と乗り込む強力な改造魔人たち。
そして彼らを追って、世界各地の仮面ライダーたちも、また日本に集まりつつある。
デルザー軍団対仮面ライダーたちの戦いは、まさに始まろうとしているのだ…!
ヘビ女とジェネラルシャドウの間の信頼関係やただならぬ関係性を感じさせるやり取りが非常に秀逸なエピソード。他の改造魔人がいくらやられようとも意に介さなかったジェネラルシャドウが、ヘビ女を「俺の片腕だった女」と呼びその死を悼むあたりに、独立心の強いジェネラルシャドウが唯一信頼する相手だったことが想像される、秀逸な台詞だ。
そして、そのジェネラルシャドウが、姿を現しただけで戦慄するマシーン大元帥の恐ろしさもまた強調されている。歴戦の勇士であるV3との直接対決においてはやや劣勢だったものの、他の改造魔人を従え、ジェネラルシャドウをも恐れさせる底知れぬ力は、これからの戦いがより一層厳しいものになっていくことを感じずにいられないものだった。
サングラスをかけて帰国する風見志郎は、「仮面ライダーX」第27話での帰国時と共通したファッションで、シリーズを続けて見てきた身としては、ファッションに統一性があるのが嬉しい。
黒尽くめのコートを脱ぎ捨てると、「V3」本編だけでなく、「X」客演時にも着用していた紺色のシャツに白いベストというおなじみのファッションになるのも嬉しいところだ。
マシーン大元帥の死のピラミッド・レッドバリヤーの拘束に対しても冷静に地中に穴を掘って脱出するという対応を見せ、V3キックで仕留める寸前まで追い込む戦いぶりを見せていて頼もしい。
ストロンガーとヘビ女との決戦でもヘビ女との決着をストロンガーに譲りながら、救援に現れたジェネラルシャドウを抑え見事にヘビ女を討ち取ることに貢献している。
頼もしい先輩ライダーの救援を得て、難敵ヘビ女を倒したストロンガー。
だが、マシーン大元帥の日本来訪で、デルザー軍団との戦いは新たな局面を迎えることになる。
果たしてストロンガーは、奇厳山に隠された謎を解き明かし、仮面ライダーとデルザー軍団による、果てしなき正邪の戦いに決着をつけることが出来るのか…。