「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」第26話「3人ライダー対ネオショッカーの学校要塞」感想

ネオショッカーの怪人・ドクガンバが、ドクガ砲に鱗粉毒を装填し、東京の中心地に発射すべく、小学校を占領して要塞にしようと目論んでいた。

仮面ライダーはその野望を止めようと立ち向かうが、ドクガンバは強敵で…。

今回のネオショッカーの怪人は、毒蛾の特性を持つ怪人・ドクガンバ。

ギリシャから日本に招聘された怪人で、吸引した人間を長期間にわたって苦しめ続ける毒鱗粉を武器にしており、この鱗粉で茂の学校に通う小学生を次々に餌食にしていく。

そして、広がった毒により無人化した東京一帯37箇所の小学校をネオショッカーの要塞へ改造し、自らの毒鱗粉を装填した巨大砲台・ドクガ砲を設置して、東京の中心へ砲撃することを目論んだ。

茂の友人である義雄から、小学校で発生した鱗粉毒の蔓延を知った洋は、そこにネオショッカーの陰謀を感じ、ドクガンバの計画を知ることになる。

だが、スカイライダー1人だけでは、37箇所の小学校に設置されたドクガ砲全てを破壊する前に、ドクガ砲の発射が行われてしまい、東京は毒鱗粉により全滅してしまう。

このまま、スカイライダーは東京の全滅を防ぐことは出来ないのか。

だがその時、ドクガ砲を破壊すべく、2人の勇者が日本に帰還した。

遠い国に生きている、強く優しい仮面ライダー4号が。

そして、白い弾丸・クルーザーとともに、7つの海を越える鋼のカイゾーグが。

3人の仮面ライダーが結集し、ネオショッカーの要塞計画を粉砕する。

桜が丘小学校の生徒たちが、授業の一環で昆虫採集に出かけていた。

するとそこに、巨大な蛾が現れる。子供たちはその珍しさに惹かれ、蛾を追いかけ始めた。

蝶ではなく、蛾がこんなに人気なことも珍しい気もする。

生徒の1人が、虫取り網で蛾を捕獲することに成功したが、突然、生徒たちが苦しみ始めた。

巨大蛾が毒鱗粉を撒き散らしていたのである。

生徒たちの身体には黒い斑点が浮かび上がり、激しい痛みが彼らを襲った。

そして、引率していた遠藤先生も毒鱗粉の餌食になってしまう。

巨大な蛾は、ネオショッカーの怪人、ドクガンバが姿を変えたものだった。

蛾を追いかける途中、木に躓いて転倒したために毒鱗粉を浴びずに済んだ少年・義雄は、茂のラジコン友達であり、茂からネオショッカーについても教えられていた。

ドクガンバを目撃した義雄は急ぎ、警察に知らせるべく近くの交番へ急ぐ。一方、毒鱗粉に苦しむ生徒たちのところに、防護服を着た男たちが現れ、生徒たちを何処かへ連れて行った。

交番に駆け込んだ義雄だが、そこに勤務する老巡査はネオショッカーの「しょ」だけを聞き取って、「おねしょをしたのか？」とボケをかます。一周回ってこういうシンプルなギャグが面白い。

だが、なんとか老巡査に話しを聞いてもらい、茂のいるブランカに電話してもらうことに成功した義雄は、谷を通し洋に連絡することに成功。洋は急ぎ、生徒たちが襲われた山へ向かった。

ネオショッカーのアジトに戻ったドクガンバは、ギリシャから招聘された怪人だった。

魔神提督もその作戦を、さすがギリシャから来ただけあって戦術が近代的と称賛する。

ドクガンバの狙いは、学校を中心に伝染病が蔓延しているという情報を流して学校から人々を遠ざけ、その間に都内37箇所の小学校を要塞に改造することだった。

そして、37箇所の学校要塞によって東京を包囲し、そこに接地した巨大砲台・ドクガ砲の弾丸に鱗粉毒を装填して発射、東京の中心を鱗粉毒で汚染、全滅させようとしていたのだ。

自らの名誉にかけて作戦成功を誓うドクガンバに、魔神提督も満足して高笑いする。

毒鱗粉に感染した子供たちは、特殊防疫班を名乗る男たちによって桜が丘小学校の体育館に運び込まれ、隔離された。通報を受けた救急隊員も駆けつけるが、鱗粉毒に伝染してしまう。

警察も駆けつけるが、特殊防疫班を名乗る男たちは学校から人々を避難という名目で追い出し、鱗粉毒に伝染した子供たちを体育館に隔離・監禁した。

特殊防疫班を名乗る男たちは、ネオショッカーの手先だったのである。

老巡査は義雄に促され学校に電話するが、その電話を受けたのはネオショッカーだった。

結局、老巡査は学校の異変に気づかず、義雄は自分の言うことを信じてもらえない。

そこに洋が駆けつけ、義雄は洋に、生徒がネオショッカーに襲われた場所を教えた。

山中に入った洋の前に、ネオショッカーが現れる。

木の上から飛びかかってくるアリコマンド部隊の襲撃を躱す洋。

しかしそこに、ドクガンバも姿を現した。

毒鱗粉を飛ばし攻撃してくるドクガンバに対抗すべく、洋はスカイライダーに変身。

鎖を振り回し攻撃するアリコマンド部隊に対しても、その鎖を逆用して逆に、アリコマンド部隊を木に縛り上げた。「しばらくそうしてろ！」「そりゃないよ～！」のやり取りが楽しい。

だが、ドクガンバは、叩きつけると爆発が発生する鎖鉄球でスカイライダーを攻撃。

その爆発で落石を起こし、スカイライダーを一敗地に塗れさせるのだった。

スカイライダーを倒したドクガンバは、次々に小学校を襲撃。

毒鱗粉による感染を拡大させ、立入禁止になった小学校を要塞へと改造していった。

学校要塞にドクガ砲が運び込まれていき、東京包囲網が完成に近づいていく。

学友を心配していた義雄は茂と合流し、桜が丘小学校の塀に開いていた抜け穴を通って校内に忍び込んだ。そこで茂と義雄が見たのは、毒鱗粉に苦しむ人々。

そして、解毒剤を見せつけ、毒に苦しむ人々を嘲笑うドクガンバの姿だった。

茂と義雄はいったん隠れるが、アリコマンドたちに発見される。

そこに、なんとか窮地を脱した洋が駆けつけた。しかし、ドクガンバも現れる。

茂と義雄から、ドクガンバが解毒剤を持っていることを教えられた洋は、ドクガンバに挑む。

それは、まさに「点」でしかないスカイライダーを、「面」で制圧する作戦だった。

自分が解毒剤を持つことを餌にスカイライダーを要塞の1つに誘き寄せ、その間に他の要塞のドクガ砲の発射を成功させ、東京を全滅させる。それがドクガンバの真の作戦だった。

各地の学校要塞で、ドクガ砲の発射準備が進んでいく。

洋はスカイライダーに変身した。

だが、なおもアリコマンド部隊の妨害が入り、スカイライダーは鎖で縛り上げられる。

なんとか鎖を切断し、アリコマンド部隊を排除したスカイライダー。

そして、ドクガ砲を自ら発射しようとするドクガンバを妨害するが、ドクガンバも反撃する。

その頃、ドクガ砲発射準備が進む学校要塞の1つに、銀のマスクを持つ戦士が現れた。

その名は、仮面ライダーX。

かつて、日本全滅を目論むGODの悪巧みを止めるため戦った戦士が、日本に帰還したのだ。

Xライダーは怒りのライドルを引き抜くと、次々にアリコマンドを倒しドクガ砲発射を阻止する。

そして、また別の学校要塞。ドクガ砲の発射を、何者かの鎖分銅が阻止した。

それは、復讐心を乗り越え、正義のために命を懸ける大義に目覚めた「仮面ライダー4号」。

ライダーマンもまた、ネオショッカーの作戦を防ぐために日本に帰還していたのである。

ライダーマンもまた、ロープアームを振るいアリコマンド部隊を倒す。

Xライダーはライドルスティックでドクガ砲を破壊。

ライダーマンもキックでドクガ砲を破壊し、各地のドクガ砲は2人のライダーによって全て破壊された。そして、ライダーマンとXライダーはスカイライダーが戦う桜が丘小学校に駆けつける。

「セタップ！仮面ライダーX」と「ぼくのライダーマン」アレンジ劇伴が嬉しい。

この時点ではまだ先輩ライダーと変身前の姿で対面していないので気にならないのだが、筑波洋＝スカイライダーは、変身後の姿で対面している時はタメ口で話し、変身前の姿で対面すると敬語になるのがちょっと面白い。二面性の男だ。

スカイライダーはドクガンバの鎖鉄球を躱していく。

そして、ライダーマンとXライダーはダブルライダーキックでドクガ砲を破壊した。

鎖鉄球を受け止めたスカイライダーは、逆にドクガンバの体を振り回し、解毒剤を奪う。

そして、平衡感覚を失ったドクガンバに、トドメのスカイキックを炸裂させた。

こうして、学校要塞計画で東京を全滅させようとしたドクガンバは倒された。

3人のライダーは、それぞれの健闘を称え、スカイライダーは先輩ライダーの助けに感謝する。

毒鱗粉の餌食になった生徒たちも、解毒剤によって無事に回復した。

義雄は、ネオショッカーをおねしょと間違われてショックだったな、と笑うのだった。

こうして、3人のライダーの活躍で、一時の平和が訪れたかに見えた。

しかし、その頃、ネオショッカーは既に次の作戦を開始していたのである。

巨大なネオショッカー戦車が、日本を全滅させるべく、動き始めようとしていた…。

東京を全滅させるべく、37箇所もの小学校を要塞に変えるネオショッカーの大規模作戦が描かれたエピソード。スカイライダー1人では、ドクガンバの妨害を受けながら37箇所もの大砲を破壊することが不可能だったことは想像に難くなく、ここにも、ゼネラルモンスターの失敗を受け、大規模作戦によって戦局を覆そうとする魔神提督の采配の巧みさが覗える。

結果的には、逆にスカイライダーがドクガンバを抑えてくれていたおかげで、ライダーマンとXライダーがドクガ砲をスムーズに破壊できたが、仮面ライダーの勝利はまさに紙一重のものだった。

今回、スカイライダーを助けに来たのはライダーマンとXライダー。

これまでの客演や令和の今でもそこまで接点がない印象もある、珍しいコンビで登場し、この2人のダブルライダーキックという、レアな映像が見られるエピソードになっている。

ライダーマンもキックでドクガ砲を破壊できるほどに身体能力が高まっており、「V3」でプルトンロケット自爆から生還した際に、1号たちに救出、再改造され完全な改造人間になっている…という、S.I.C. HEROSAGAの説もわりと真実味のある描写だった。

ライダーマンはこのエピソードの放映前に公開された映画「8人ライダーVS銀河王」でも1号ライダーとタッグを組んで映画用新怪人と戦っており、さり気なく目立っている。

こうして、学校要塞による東京全滅作戦を阻止したスカイライダー。

だが、既にネオショッカーは新たなる兵器・ネオショッカー戦車を作り出していた。

さらに、かつてスカイライダーに倒された改造人間が再生産され、改造人間二世部隊が結成。

それに合わせ、ネオショッカー大首領はキリマンジャロから最強怪人を呼び寄せていた。

ネオショッカーの大攻勢が迫りつつある中、伝説のライダーたちも今、再び日本に集う。

スカイライダーを加えた8人のライダーたちは、正邪の一大決戦を制することが出来るのか。