「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」第29話「初公開!強化スカイライダーの必殺技」感想

2025年2月3日月曜日

仮面ライダー (新) (スカイライダー) 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

博物館に展示されていたミイラは、怪人・ヒカラビーノだった。
その一方でネオショッカーは、子供たちにミイラの仮面を配る。
その仮面はかぶった者の顔から取れなくなるという恐ろしい物だった。

ちびっ子ミイラ軍団大襲撃!今こそ見せろ、強化スカイライダー99の技!

今回のネオショッカーの怪人は、ミイラをモチーフとしたヒカラビーノ。
3200年前、病死したエジプトのアラーカ王女の後を追って自らミイラとなった男のミイラを基に作られたヒカラビーノは、全身の包帯を伸ばして敵を締め上げ、溶解性の毒を武器としている。

ヒカラビーノは博物館の館長と共謀し、自ら博物館に展示されたミイラに扮して子供たちを博物館に集めると、集まった子供たちに自らの細胞から作られたミイラの仮面を配布。
ミイラの仮面は、被った子供たちの眼球に食い込んで外れなくなり、やがて子供たちはヒカラビーノの意のままに操られる「ちびっ子ミイラ軍団」へ変えられてしまう。
ヒカラビーノはちびっ子ミイラ軍団を指揮し、人間の大人たちを全滅させようと目論んでいた。

また、ヒカラビーノはアキをアラーカ王女だと勘違いして拉致し、催眠術で操って結婚を強要する。子供たちやアキを苦しめるヒカラビーノに、筑波洋の怒りが爆発。
7人ライダーとの特訓で身につけた、強化スカイライダーの新技が、ヒカラビーノに炸裂する。

スカイライダーの強化に合わせ、今回からオープニングテーマとエンディングテーマが変更。
新オープニングテーマ「男の名は仮面ライダー」は、勇壮な曲調と、悪を憎むスカイライダーの怒りをストレートに謳った、強化スカイライダーの逞しさを象徴する楽曲になっている。
砂浜を疾走し、幾多の爆発を突破するスカイターボの映像もその勇壮さを強調している。
曲の終わりには、子供たちが「仮面ライダー」の名を呼ぶ掛け声が挿入されており、筑波洋が子供たちの兄貴分としての描写を積み重ね、キャラクターが定着した証とも言えよう。

国立中央博物館では、古代エジプト秘宝展が開催され、子供たちで大賑わいだった。
その目玉となっているのは、3200年前、アラーカという美しい王女と恋をしたが、結婚式の前にアラーカ王女が病で亡くなり、哀しみのあまり自らミイラになったというミイラの展示だ。
茂やナオコ、アキもその展示に興味津々で、特にナオコとアキはアラーカ王女に恋い焦がれたミイラの情熱的なラブストーリーに萌えていた。一方、茂はミイラの前で腰を抜かしている。
なんでも、茂は、ミイラの目が動くのを目撃したのだという。
ナオコとアキはそんな茂をからかうが、彼女たちが去った後、ミイラは本当に動き出した。

秘宝展から帰った茂は、洋からミイラの作り方を教えてもらっていた。
洋は、ミイラの目が動くのを目撃したと懸命に訴える茂の様子に、ただならぬものを感じる。
するとそこに、突然子供の悲鳴が響いた。
なんと、古代エジプト秘宝展の入場特典として配られていたミイラの仮面を被ったところ、そのお面が顔から外れなくなってしまったのだ。洋は仮面を顔から剥がそうとするが、子供は激しい痛みを訴え、お面を剥がすことは出来ない。茂は、これもミイラの仕業ではないかと恐れる。

洋と茂が、お面の外れなくなった子供を病院に運ぶと、病院には既に、同じく仮面が顔から外れなくなり、激しい痛みを訴える子供たちで溢れかえっていた。
その中の一人に付き添っていた母親は、激しい痛みを訴える様子を見かねて仮面を無理に剥がそうとするが、看護師に止められる。お面の下には微生物が発生し、さらに仮面の裏の根が眼球に食い込んでいるため、仮面を顔から無理に剥がせば生命の危険すらあるのだ。
看護師に呼ばれた洋は母親を静止するが、母親は自分の無力さに泣き崩れてしまう。

洋はこの怪奇現象の原因を突き止めるべく、国立中央博物館のミイラのもとへ向かった。
そこに、怪しげな様子で、博物館の館長が現れる。
館長が閉場時間であることを理由に洋を帰らせると、ミイラが動き始めた。
館長はネオショッカーの協力者であり、ミイラの正体であるネオショッカーの怪人、ヒカラビーノと共謀して、ヒカラビーノの体組織から作った仮面を子供たちに配ったのである。
「俺がすぐに奴を干物に変えてやる!」
しかし、洋は帰ったふりをして、館長とヒカラビーノが会話している現場を押さえていた。

夜になり、茂は単身、国立中央博物館に忍び込んでいた。
恐ろしげな展示にビビりながら進んでいく茂は、ミイラが展示場から消えているのを目撃する。
するとそこに、魔神提督が入ってきた。
「ええい!せっかく俺様が訪ねてきたというのに、ヒカラビーノはどこへ行った!だいたい、子供たちにミイラの仮面を配って歩いてると聞いたが、いったいどういうわけなのだ!」
「はっ。実はあの仮面は、ただの仮面ではないのです。ミイラ怪人・ヒカラビーノ様の体の組織で作った、特殊な生き物なのです!あの仮面は、子供たちの顔に食い込んだら最後、二度と再び取ることは出来ないのです!」
「流石はミイラ怪人!わざわざエジプトから呼び寄せた甲斐があったというものだ!」
褒めるポイントが良くわからないが、魔神提督はヒカラビーノの手腕が気に入ったらしい。


「よおし、それならその仮面を子供たちばかりでなく、大人どもにも被せてしまえ!」
「ところが仮面は…子供の身体にしか繁殖しないのです」
「わかった!もうよい…それならそれで、『ちびっ子ミイラ軍団』を組織させ、日本中の大人どもを皆殺しにしてくれるわ!」
ちびっ子ミイラ軍団という、なんだかほんわかしたフレーズを思いついた魔神提督。
「鬼滅の刃」のDX日輪刀のキャンペーンで募集された、「ちびっ子鬼殺隊」みたいだ。
そんな恐ろしい計画を聞いてしまった茂は洋に知らせようとするが、運悪くヒカラビーノに見つかってしまった。暗闇の中をヒカラビーノに追いかけられる茂。ヒカラビーノがシンプルなミイラの姿をしていることもあり、かなりの恐怖体験だろう。
恐怖の追跡の果て、茂はヒカラビーノが伸ばした包帯に首を絞められてしまう。
だがそこに、洋が助けに入り、博物館を脱出した。

博物館を脱出した洋はアリコマンド部隊の待ち伏せを受けてしまった。
そして、それに対処している間に、ヒカラビーノに追いつかれてしまう。
ヒカラビーノは包帯で洋の身体を絡め取り、毒液で干物に変えようとする。
だがそこに、偶然地震が発生した。ヒカラビーノは慌て始める。
「おお!大地が裂ける…火の神が怒っているのだあ!俺は地震が大嫌いなのだ!」
なんとか難を逃れた洋は、ヒカラビーノの実力に戦慄するのだった。

その頃、病院では、仮面をつけた子供たちが、ちびっ子ミイラ軍団となって動き始めていた。
看護師は、不気味に動くちびっ子ミイラ軍団に卒倒してしまう。
そして、そこに居合わせた医師も、ヒカラビーノによって殺害されてしまうのだった。
ヒカラビーノは、ちびっ子ミイラ軍団に、日本中の大人を干物にするように命じる。
ちびっ子ミイラ軍団は次々に大人たちを襲い始めた。
ちびっ子ミイラ軍団はその鋭い爪で、大人たちの顔面を切り裂いてしまうのだ。
そして、洋もまた、ちびっ子ミイラ軍団に襲われる。
しかし、洋は子供たちを攻撃することは出来ない。
子供たちを利用するヒカラビーノに、洋は怒りを爆発させるのだった。

そして、ブランカもまた、ちびっ子ミイラ軍団の襲撃を受けていた。
谷と沼はナオコとアキ、茂を先に逃がしたが、ついにちびっ子ミイラ軍団に襲われてしまう。
逃亡するナオコとアキたちの前に、ヒカラビーノが現れた。
ヒカラビーノは、アキを死に別れた恋人であるアラーカ王女と勘違いする。
日本人と古代エジプトに住んでいた人種を間違えるのは、結構ガバガバ判定だ…。
ヒカラビーノは包帯を伸ばし、アキを捕まえてしまう。
「アラーカ!お前はこれから俺の妻として、永遠に生きるのだ!」

ブランカに戻った洋は、遺された血痕やアキのブレスレットから、ブランカがちびっ子ミイラ軍団に襲われたことを悟る。谷と沼は、傷だらけのまま捕まっていた。
「いくらミイラと言っても、子供は子供だ…殺すわけにはいかんだろ!」
ヒカラビーノは気絶させたアキにドレスを着せ、ミイラ人間にする儀式を行う。
「これから王女の心臓を取り出し、70日間の祈りを捧げる…そうすれば、お前は俺と同じミイラ人間として、永遠に生きる事が出来るのだ!」

洋は再び国立中央博物館に潜入し、魔神提督に通信する館長を取り押さえる。
そして、ヒカラビーノのアジトを聞き出すのだった。
だがその頃、谷と沼もまた、人間を干物にする装置に入れられ、死を待つのみだった。
ヒカラビーノは踊り子を呼び寄せ、アラーカとの結婚の前祝いに踊らせる。
アキも徐々に血の気を失くしていくが、そこに、白い布を纏った洋が現れ、谷と沼を救出。
そして、アキを連れて逃亡を図るヒカラビーノを追うのだった。

洋はヒカラビーノとの決着を付けるべく、スカイライダーに変身した。
快晴の青空に、強化スカイライダーの明るい体色が映える。
スカイライダーはスカイターボを呼び、ヒカラビーノを追跡した。
トンネルに入ったスカイライダーを、空を飛ぶミイラの仮面が襲った。
だが、スカイライダーはスカイチョップでそれを破壊。
ヒカラビーノはアキにスカイライダーを殺させようとするが、スカイライダーはアキを気絶させ、トンネルを脱出。ついに、ヒカラビーノとの決戦に挑むのだった。

ヒカラビーノが伸ばした包帯を掴んだスカイライダーは、包帯を絞り上げ、ヒカラビーノの武器である毒液を急激に失わせる。ヒカラビーノはそれによってエネルギーを失った。
「7人ライダーと鍛えた新たな技、十分味わってみろ!スカイスクリューキック!」
錐揉み回転して放つスカイライダー99の技のひとつ、スカイスクリューキックが炸裂。
ヒカラビーノは一撃で粉砕され、爆発四散するのだった。
いくら毒液を絞り上げられたとはいえ、耐久力がなさすぎる…。

ヒカラビーノの死と共に、子供たちの仮面も割れ、ちびっ子ミイラ軍団から元に戻った。
スカイライダーのスクリューキックによって、ネオショッカーの怪人、ヒカラビーノは倒され、子供たちの生活に、また平和が取り戻されたのである。
だが、谷と沼の大怪我はすぐには治らない。そして、壊されたブランカの店内も…。
怪我の治療で包帯を巻いていた谷と沼は、ヒカラビーノのようであるとからかわれるのだった。

新エンディングテーマ「輝け!8人ライダー」は、映画「8人ライダーVS銀河王」で使用された楽曲を、新たに水木一郎氏が歌唱したもの。
スカイライダーを加えた8人ライダーの活躍を謳った楽曲となっており、この後、先輩ライダーの客演エピソードが連続する展開にも符合した楽曲がエンディングを飾ることになった。
青空をバックにジャンプ、トンボを切る強化スカイライダーの鮮やかな姿は、空を翔けるライダーに相応しい軽やかな勇姿になっている。

新たな姿に生まれ変わった強化スカイライダーに合わせ、新たなオープニング・エンディング映像もお披露目された、シリーズ後半のスタートとなるエピソード。
子供たちをちびっ子ミイラ軍団として利用するネオショッカーやヒカラビーノに対し怒りを燃やす様子や、茂にミイラについて教える姿からも、筑波洋の子供たちにとっての兄貴分としてのキャラクター造形が確立し、効果的に演出されている。

ヒカラビーノは、これまでのネオショッカーの怪人とは趣が異なり、特定の生物のモチーフが存在しない、ミイラがモチーフの怪人。キャラクター的にも地震を恐れていたり、死に別れた恋人であるアラーカへ執着を見せるなど、キャラが濃い言動を見せて印象深い。
スカイスクリューキック一発で倒されたのは驚きだが、これは逆に、強化スカイライダーの新たな技の威力の高さを印象付けているとも言える。

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